スポンサーリンク

速報・現地リポート

トップニュース速報・現地リポート

全国高校選手権(インターハイ2016)

7月31日~8月5日まで岡山。きびじアリーナで行われたインターハイ。
結果は以下のとおり

●学校対抗

男子
優勝:愛工大名電(愛知)
準優勝:野田学園(山口)
3位:遊学館(石川)、大阪桐蔭(大阪)

女子
優勝:四天王寺(大阪)
準優勝:明徳義塾(高知)
3位:希望が丘(福岡)、山陽女子(岡山)

●シングルス

男子
優勝:木造勇人(愛工大名電)
準優勝:高見真己(愛工大名電)
3位:松山祐季(愛工大名電)、田中佑汰(愛工大名電)

女子
優勝:早田ひな(希望が丘)
準優勝:橋本帆乃香(四天王寺)
3位:木村香純(四天王寺)、梅村優香(四天王寺)

●ダブルス

男子
優勝:高見真己/田中佑汰(愛工大名電)
準優勝:伊丹雄飛/沼村斉弥(野田学園)
3位:松山祐季/木造勇人(愛工大名電)、弓取眞貴/吉田大輔(希望が丘)

女子
優勝:橋本帆乃香/塩見紗希(四天王寺)
準優勝:梅村優香/塩見真希(四天王寺)
3位:早田ひな/永道麻依加(希望が丘)、柴田理彩/岩越帆香(希望が丘)

詳しい報道は卓球王国10月号(8月21日発売号)で掲載します。
お楽しみに!
  • 初優勝の木造、最高のスマイル!

  • 早田は全中に続き、インターハイも制す

  • 男子単ベスト4を独占した名電ボーイズ。おめでとう!

女子シングルスで1年生女王に輝いた早田ひな。決勝の相手であるカットの橋本に対しては、今年のワールドツアーで4勝0敗。苦手としている準決勝の相手、梅村に対しては「今大会はプレッシャーが大きかったけど、準決勝だけはそれを忘れて向かっていく気持ちでやれた」と語ったが、決勝では得意としている橋本。それは心理的にはむしろプレッシャーが大きいものだ。

橋本も、「今度こそは」の思いと初優勝に懸ける執念で、第1ゲームから積極的に攻撃し、カットでも早田のミスを誘う。「橋本さんは私にフォアサイドから打たせたくないので、フォアカットもバックカットも、バックサイドにボールを集めてきた。すごく苦しかった」と試合後の早田。
5ー1、9ー3と一気にスタートダッシュした橋本が、第1ゲームを先取した。ループドライブを待ち伏せての、バックハンドのカウンターも有効だった。

しかし、第2ゲームの出足でまた橋本に攻撃されても、早田は冷静。フォアスマッシュも台からやや距離を取り、しっかり止める。早田のフォア面は粘着ラバー、強烈にループをかけたボールと、ナックル気味に前に落とすボールの変化が激しい。カットがまっすぐネットに刺さるような、橋本らしからぬミスが何本もあった。そしてあまいカットには、バッククロスへ流れるようなスマッシュで打ち抜いた。

早田が挙げる勝負のポイントは第3ゲーム。3ー7のビハインドから9ー7と逆転。会場が息をのむ長いラリーは、常に早田が得点。なんという精神力か。その後も試合の主導権を渡さず、第5ゲームを11ー9で制して優勝を決めた早田。涙を流してベンチの松井清美監督と抱擁した。

「絶対に優勝するんだ」という意志にあふれた早田のプレー。多彩なプレースタイルが揃う「黄金世代」の中でも、抜群の攻撃力を備えた早田の成長は頼もしい。今後は台上技術と3球目攻撃の精度を高め、大きく成長してほしい。

敗れた橋本も、2020年東京五輪への出場という目標はブレていない。これほど打てるカットマンなのに、「今後の課題は攻撃」と語り、意外性のあるプレーにさらに磨きをかけようとしている。
●女子シングルス決勝
早田(希望が丘) -3、7、11、6、9 橋本(四天王寺)

実力者のふたりが決勝でぶつかり、我慢のカット打ちを見せた早田が1年生で優勝。
ミウミマ世代の大型左腕がインターハイを制した。

詳細はのちほど!
小学校から同クラブで育ち、同じ愛工大附中、名電高へ進んでいる木造と高見。
試合開始からスパートをかけたのは木造だ。サービス、レシーブでの積極性、そしてすかさず強打を打ち込んで、8−1とリードを広げる。
2ゲーム目に入っても隙を見せず、木造が止まらない。6−1、7−3。受けに回る高見を打ち抜いていった。

状況が変わったのは3ゲーム目。
高見がより前でボールをさばくようになり、木造を台から下げていく。しつこく両サイドを付き、ゲームを奪った。9ー10で高見がゲームポイントを握っていた時、木造が「とっておいたストレートのロングサービス」で追いつこうとしたが、高見がバックハンドでクロスへ厳しく返球。素晴らしい反応だった。

4ゲーム目は前で勝負したい高見とそれをさせない木造の揺さぶりあい。
ここで木造のボールがスピードを増していき、高見の堅陣を崩す。
10−4でゲームポイントを握り、ややミスが続いたが11−8でこのゲームを奪取。

追いつきたい高見は5ゲーム目に何かをかえたいところ。だが、木造はゲームが進めば進むほど集中力、そして反応が早くなる。台から出る甘いボールは見逃さず、3球目、4球目の速攻で一気に畳みかけた。

中陣から放った高見のバックドライブがコートをとらえきれず床に落ちた瞬間、木造がガッツポーズ。見事インターハイシングルスを制した。

「うれしい。だけど3冠王を目標にしてきたからちょっと悔しい部分があります。昨年2位だったから、リベンジしたいと思ってずっとインターハイにかけてきた。これに満足しないで大人に勝てるように自分を鍛えたい」(木造)

技術と体力、そしてコートでの積極性、どんな相手にも冷静に対処するメンタル、すべてにオールラウンドだった木造。
勝つべくして勝った。そう思えるほど、インターハイの木造は強かった。
おめでとう。
  • 連続で打てる強打。柔らく強い体を持っている木造

  • 初優勝を決め、ガッツポーズ

  • 守りに入ってしまった高見

  • 高見を台から下げさせて優位に立った

●男子シングルス決勝
木造勇人(愛工大名電高) 4、5、ー9、8、5 高見真己(愛工大名電)

ともに愛工大名電の2年生、木造勇人と高見真己による男子シングルス決勝は、大会最終日の最終試合まで動きが落ちず、威力あるフォアドライブを振り続けた木造が勝利。昨年の悔しい2位から、ついに頂点に立った。

詳報は後ほど!
●女子シングルス準決勝
橋本帆乃香(四天王寺) 8、ー9、ー7、9、5、2 木村香純(四天王寺)
早田ひな(希望が丘) 9、ー8、5、7、8 梅村優香(四天王寺)

女子シングルス準決勝は橋本と早田が勝利。第1シードと第2シード、優勝候補の双璧のふたりが、ついに決勝で相まみえる!

橋本は木村との同門対決に勝利した。中国人コーチがそれぞれの選手を指導する四天王寺。ふたりが普段の練習で打つ機会は「ほとんどない」(木村)というが、プレーをよく見ているだけあり、木村は誰もが苦しむ橋本のカットに対してもドライブ・ストップのミスがない。強打に見せてからの軽打も交えて橋本を揺さぶり、ゲームカウント2ー2に持ち込んだが、試合の終盤は橋本の攻撃に手を焼いた。「橋本さんにループを打たせてブロックで展開を作りたかったけど、逆に橋本さんの攻撃に対して、私のラケットの角度が合わなくてミスが出てしまった。前回も準々決勝でカットマンに『あと1本』で負けてしまったので、カットマンにしっかり勝てるようになりたい」(木村)。

そして早田は、過去0勝4敗の梅村をついに破った。「全日本ジュニアで勝った時はブロックで粘れていた」という梅村だが、早田の連続ドライブは強烈。強引に回り込まず、回転量の多いバックドライブで、梅村のバックサイドを締め付けるように攻め続けた。梅村は完全に受け身に回った。「早田さんにいろいろ対策をされて、そこに対応できなかった。自分のバックサイドに回転量の多いドライブを集められて、止めることしかできなかった」(梅村)。早田の、本格派の両ハンドドライブ型としての成長を証明する一戦となった。

さあ、いよいよ女子シングルスも決勝を残すのみ!
  • 強烈なスマッシュを変化カットに織り交ぜた橋本

  • 木村、安定したカット打ちも及ばず

  • 早田、連続バックドライブで梅村を破る

  • 早田に初黒星、梅村は3位

●男子シングルス準決勝
木造(愛工大名電) -12、8、5、8、10 田中(愛工大名電)
高見(愛工大名電) -8、-9、4、9、11、-7、4 松山(愛工大名電)

同士討ちを制し、木造と高見の同級生が決勝へ進出。
上から叩き込む前陣のバックハンドが特徴的な1年生の田中は「部内で3−0で勝ったときの戦術」を1ゲーム目から使い、木造からリードを奪う。しかし、2ゲーム目からは木造が見事に対応し、コースを散らしていく。
チキータ、ツッツキ、そして大きなボールを使い、田中の的を外させてミスを誘っていった。
3位に入賞した田中、「みんなの前ではベスト8が目標と言っていたけど、自分の中では表彰台を狙っていました。目標達成できてうれしいけど、来年は木造さんより上へ行きたい」(田中)

団体優勝、ダブルス優勝、そしてシングルスは3位。すべてで表彰台に上がった1年生。今後も目が離せない逸材だ。

一方、初優勝を狙っていた松山は後輩高見に敗戦。
大きなラリーに押されていた高見だが、冷静にコースをついて、松山に大振りを誘導。要所で3球目、カウンターなど、点数を重ねていき、逆転勝ちを収めた。
「相手の方が引き出しが多かった。自分は同じことばかりやってしまい、弱気になってしまった。優勝したかった」(松山)
  • 田中にヒヤリとさせられたが木造が我慢の勝利

  • 来年のリベンジを誓った田中

  • 決勝で勝てば3冠王になる高見

  • 打たされすぎた松山。後輩に苦杯

●女子シングルス準々決勝
橋本帆乃香(四天王寺) 4、6、10、8 枝松亜実(山陽女子)
木村香純(四天王寺) ー11、ー9、2、2、8、9 山本笙子(福井商業)
梅村優香(四天王寺) 5、13、5、ー9、8 馬場麻裕(芦屋学園)
早田ひな(希望が丘) 7、6、9、7 笹尾明日香(横浜隼人)

女子シングルス準々決勝は、四天王寺の橋本、木村、梅村、そして希望が丘の早田が勝ち上がった。

早田は笹尾の強烈なフォア強打を中陣から正確に返球し、攻勢に転じれば強烈な両ハンドドライブの連打。「1本は止めることができても、次のボールを止めきれなかった。球威に吹っ飛ばされました」と試合後の笹尾。続く準決勝では、これまで勝ったことがないという梅村との対戦。1月の全日本ジュニアでも梅村がゲームオールジュースで勝利した。それから早田はさらに成長しているが、今大会は果たして?

福井商業の山本は、橋本から快調に2ゲームを先取しながら、「そこから、いけると思って勝ち急いでしまった」と試合後のコメント。フォア強打型から両ハンド攻撃型に変身した木村に両ハンドで振り回された。しかし、シングルスでのプレーには「悔いはないです」と爽やかに大会を終えた。
  • 笹尾、健闘するも早田の球威に脱帽

  • 左の強打者、馬場は梅村のブロックを攻略しきれず

  • 山本は昨年に続いてベスト8。大器の今後に期待

  • シングルスでは力を出し切った枝松

●男子シングルス準々決勝
木造(愛工大名電) 4、8、8、7 吉田(希望が丘)
田中(愛工大名電) 10、-9、9、-9、8、5 弓取(希望が丘)
高見(愛工大名電) 9、8、9、8 大西(愛工大名電)
松山(愛工大名電) 11、10、7、8 中ノ瀬(瓊浦)

名電勢がベスト4を独占。
その壁に勇猛果敢に挑戦した希望が丘勢と瓊浦の中ノ瀬だったが、一歩及ばなかった。

常にリードしながらゲームを取れなかった中ノ瀬は
「中盤までリードしていたのに、最後に甘さが出てしまって逆転されてしまった。悔しい。全然満足できない」と悔しさをにじませた。

あとは同士討ちでの戦い。チャンピオンになるためには手の内を知っている者同士を乗り越えなければならない。
  • 盤石の木造、優勝まであと2つ

  • 田中がベスト4へ。木造に挑む

  • 弓取はフォアを飛ばして、田中に迫ったが、及ばず

  • 「詰めが甘い」と悔やんだ中ノ瀬。しかしベスト8は立派だ

●男子シングルス準々決勝
木造勇人(愛工大名電) vs. 吉田大輔(希望が丘)
田中佑汰(愛工大名電) vs. 弓取眞貴(希望が丘)
大西尚弥(愛工大名電) vs. 高見真己(愛工大名電)
中ノ瀬聡汰(瓊浦) vs. 松山祐季(愛工大名電)

●女子シングルス準々決勝
橋本帆乃香(四天王寺) vs. 枝松亜実(山陽女子)
山本笙子(福井商業) vs. 木村香純(四天王寺)
梅村優香(四天王寺) vs. 馬場麻裕(芦屋学園)
笹尾明日香(横浜隼人) vs. 早田ひな(希望が丘)

インターハイ卓球競技もいよいよ最終日!

男子シングルスは昨日の男子学校対抗で優勝した愛工大名電から、実に5人がベスト8入り。しかもベスト4独占の可能性すら秘めている。昨日、カットの竹﨑と二連戦した木造は、今朝の練習でもキレのある動き。恐るべきタフさを見せている。

女子は第1シードの橋本、第2シードの早田を脅かす選手は現れるのか。対カットには強い早田、今年のワールドツアーで橋本に4戦4勝。対戦成績では圧倒している。果たしてふたりが決勝で相まみえるのか?