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全国高校選手権(インターハイ2016)

全国で2回勝つことはこれほどまで難しいのか、と思わせるほど、魂の試合の連続だった。
この選手で取り、このスコアで勝つだろう、という甘い目算は通用せず、吉田(希望が丘)、西(明徳義塾)、中ノ瀬(瓊浦)など、各校のエースクラスの選手が次々と敗れた。

希望が丘は吉田、永田を連続で落としたが、ダブルスで息を吹き返し、後半は弓取と蛭田で押し切るという薄氷の勝利。ベンチの石田監督は冷静な目で見つめていたが、胸をなで下ろしたようにも見えた。
長いインターハイの中で調子の上がり下がりもある。初日が悪くてもここで気持ちを切り替えられるかが大事なのだ。昨年は前半の団体で失点した田口(正智深谷)が個人戦に入ってから調子を上げ、女王位をつかんでいるだけに、気持ちをリフレッシュして明日に挑みたい。

その中で、気持ちを持続していきたいチームもある。
男子の青藍泰斗だ。1回戦で秋田商業にストレートで勝ち、2回戦では福井商業と大激戦を展開。
取って取られての接戦は、5番のラストまで競り合った。
青藍泰斗の高橋は今や珍しいペンホルダー粒高の選手。しかし防御一辺倒の守る粒ではなく、積極的に反転し、フォアドライブ、そして裏ソフトでのバックプッシュを打ち込むタイプだ。長身からクロスへ鋭角にえぐるプッシュは左利きの中村(福井商業)のフォアを抜き、攻撃型としても互角に打ち合うポテンシャルを見せる。

中村は4ゲーム目でマッチポイントを握られながらも強気のロングサービスでエースを取り、粘り強いプレーで食い下がったが、最後は惜しくも敗れた。
大会初日の最後の1台で堂々とプレーした両者に拍手を送りたい。

接戦というヤマを乗り越えたチームは強い。そして勢いがついてくる。
明日の3回戦で希望が丘を相手に青藍泰斗がどう食らいつくのか、期待したい。
  • 高橋の粒高ブロック

  • 裏ソフトでのプッシュが強力だった

  • あと一歩だった中村

  • 弓取(希望が丘)、明日は青藍泰斗の挑戦を受ける

●男子学校対抗2回戦
愛工大名電(愛知)3−0北科大(北海道)
上宮(大阪)3−2聖和学園(宮城)
鶴岡東(山形)3−0明豊(大分)
明徳義塾(高知)3−2開志国際(新潟)
希望が丘3−2日本航空(山梨)
青藍泰斗3−2福井商業(福井)
静岡学園3−0日大豊山(東京)
遊学館3−0専大北上(岩手)
瓊浦(長崎)3−2日南学園(宮崎)
大阪桐蔭(大阪)3−0尽誠学園(香川)
龍谷大平安(京都)3−2育英(兵庫)
出雲北陵(島根)3−0高岡龍谷(富山)
杜若(愛知)3−2慶誠(熊本)
関西(岡山)3−0近大附福山(広島)
北陵(佐賀)3−1高田(三重)
野田学園(山口)3−0埼玉栄(埼玉)


希望が丘、そして明徳義塾が薄氷を踏む勝利でベスト16入り。
希望が丘はトップで吉田が、明徳義塾は西が敗れ、流れに乗れなかったが、後半はチーム力を見せて取り返した。

各チームの戦力は均衡しているだけに、シードチームといえ、余裕の試合はひとつもない。
  • 開志国際の石山が西を下す

  • 明徳義塾のラストは寶金が勝利して、チームを救う

●女子学校対抗2回戦
四天王寺(大阪) 3ー0 華頂女子(京都)
浜松修学舎(静岡) 3ー1 須坂創成(長野)
札幌大谷(北海道) 3ー1 明秀学園(茨城)
明誠(島根) 3ー0 武蔵野(東京)
正智深谷(埼玉) 3ー1 奈良女子(奈良)
済美(愛媛) 3ー0 日本航空(山梨)
進徳女子(広島) 3ー2 名経大高蔵(愛知)
希望が丘(福岡) 3ー0 就実(岡山)

明徳義塾(高知) 3ー0 岩国商業(山口)
日南学園(宮崎) 3ー1 城南(徳島)
愛み大瑞穂(愛知) 3ー1 慶誠(熊本)
秋田商業(秋田) 3ー2 富田(岐阜)
横浜隼人(神奈川) 3ー1 遊学館(石川)
福井商業(福井) 3ー0 明豊(大分)
五所川原商業(青森) 3ー1 鳥取敬愛(鳥取)
山陽女子(岡山) 3ー1 鎮西学院(長崎)

女子学校対抗2回戦が終了し、ベスト16が出揃った。
第1〜4シードの4校、四天王寺、山陽女子、希望が丘、明徳義塾をはじめ、強豪校が確実に勝ち進む中、春の選抜ベスト4の富田が秋田商業に敗れた。横浜隼人と遊学館の好カードは、遊学館がダブルスを取って接戦に持ち込んだが、横浜隼人の4番三浦が競り勝ってチームに勝利をもたらした。
  • 関東チャンプの横浜隼人、今年こそ表彰台に登りたい

  • 進徳女子のラストは、岡山が地元の枝広が締める

●男子学校対抗1回戦
北科大(北海道)3−0倉吉東(鳥取)
聖和学園(宮城)3−0松商学園(長野)
上宮(大阪)3−0川越東(埼玉)
明豊(大分)3−1富田(岐阜)
開志国際(新潟)3−2倉敷工業(岡山)
日本航空(山梨)3−2明秀学園(茨城)
青藍泰斗(栃木)3−0秋田商業(秋田)
福井商業(福井)3−0学館浦安(千葉)
日大豊山(東京)3−1桐蔭学園(神奈川)
静岡学園(静岡)3−0滝川第二(兵庫)
専大北上(岩手)3−1樹徳(群馬)
日南学園(宮崎)3−1帝京安積(福島)
尽誠学園(香川)3−0生駒(奈良)
大阪桐蔭(大阪)3−0慶應義塾(神奈川)
育英(兵庫)3−2函大有斗(北海道)
龍谷大平安(京都)3−0前原(沖縄)
高岡龍谷(富山)3−2東奥学園(青森)
慶誠(熊本)3−1鹿児島工業(鹿児島)
近大附福山(広島)3−2城南(徳島)
関西(岡山)3−2明大中野(東京)
高田(三重)3−1松山商業(愛媛)
北陵(佐賀)3−2近江(滋賀)
埼玉栄(埼玉)3−1近大新宮(和歌山)

写真は桐蔭学園と慶應義塾。熾烈な神奈川予選を勝ち抜いてきたが、1回戦で姿を消した
 女子学校対抗2回戦、四天王寺(大阪)のトップに起用されたのは、センスあふれるカットマンの橋本。大会の1試合目ということもあってか、センスあふれる攻撃はやや手数が少なかったが、低く正確なカットできっちりストレート勝ちを収めた。四天王寺は華頂女子(京都)との近畿勢対決に3ー0で勝利。

 また、希望が丘の「スーパー1年生」、早田ひなも学校対抗2回戦に登場。パワードライブで相手をグイグイ締め付けるようなカット打ちを見せ、少しでも浮いたボールはフォアストレートに強振。1年生とは思えないパワーを見せた。希望が丘は地元・岡山の第二代表、就実を3ー0で下している。

 6月のジャパンオープンと韓国オープンで、徐孝元(韓国)を下している早田。昨年のインターハイで2位、今大会での雪辱を狙う橋本にとって、早田は最大の難敵となるのか。それとも四天王寺のチームメイトたちが立ちはだかるか。
  • 間近で見ると、早田の球威は女子選手離れしている

  • カットの貴重なホープ、橋本

●男子学校対抗1回戦
関西(岡山)3−2明大中野(東京)

男子学校対抗の初戦の好カード、地元・関西vs関東王者・明大中野は、4時間に及ぶ大熱戦となった。

明大中野は穂積と羽佳のツインエースで3点取りたいところだったが、2番で穂積が田口に敗れる波乱。よもやの0-−2スタートとなった。
しかし、このまま敗れる関東チャンピオンではない。羽佳・穂積のダブルスが接戦を制し、4番では羽佳が流れを変える試合を見せ、勝負は5番へ。

明大中野の林と関西の松浦の対戦となったが、お互いに緊張からラリーにならない。とにかくミスを少なくしていった林がゲームを先取するが、徐々に松浦のエンジンがかかってくる。
観客席から降り注ぐ大応援団の熱声援が後押し。逆大手をかけられながらも、最後は松浦が踏ん張った。

「松浦が緊張していたからとにかく笑顔でやれ。楽しんでやれと言った。少しずつ緊張が取れて良い試合ができた。1回戦から厳しい相手でしたが、上にいくためには乗り越えないといけない。簡単には勝たせてくれない相手ですから」(関西高校・柏監督)
  • ラスト松浦が大仕事

  • 羽佳、4番で勝利して渾身のガッツポーズ

  • 緊張感に包まれた試合は4時間にも及んだ

  • 関西は地元大会だけにここで負けるわけにはいかない

●女子学校対抗1回戦
華頂女子(京都) 3ー1 新潟産大附(新潟)
浜松修学舎(静岡) 3ー0 粉河(和歌山)
須坂創成(長野) 3ー2 鶴岡東(山形)
明秀学園(茨城) 3ー1 姫路商業(兵庫)
武蔵野(東京) 3ー0 相原(神奈川)
奈良女子(奈良) 3ー1 滋賀学園(滋賀)
済美(愛媛) 3ー0 青藍泰斗(栃木)
日本航空(山梨) 3ー2 聖和学園(宮城)
名経大高蔵(愛知) 3ー0 高岡龍谷(富山)
進徳女子(広島) 3ー2 白子(三重)
就実(岡山) 3ー1 木更津総合(千葉)
岩国商業(山口) 3ー1 樹徳(群馬)
城南(徳島) 3ー2 尽誠学園(香川)
日南学園(宮崎) 3ー0 鹿児島女子(鹿児島)
愛み大瑞穂(愛知) 3ー0 駒大苫小牧(北海道)
慶誠(熊本) 3ー1 芦屋学園(兵庫)
秋田商業(秋田) 3ー1 川口総合(埼玉)
遊学館(石川) 3ー0 佐賀商業(佐賀)
明豊(大分) 3ー1 大野(岩手)
福井商業(福井) 3ー0 和洋女子(千葉)
五所川原商業(青森) 3ー0 桜の聖母(福島)
鳥取敬愛(鳥取) 3ー2 文大杉並(東京)
鎮西学院(長崎) 3ー0 コザ(沖縄)

観客席は超満員のきびじアリーナ。女子学校対抗の1回戦が終了した。慶誠対芦屋学園、明豊対大野という実力校対決は、慶誠と明豊が2回戦に駒を進めた。

写真左は聖和学園戦のラストを締めた日本航空の下山。日本式ペンを使用しながら、許シン(中国)のような「裏面専用グリップ」で、両ハンドの鋭い攻撃を見せた。写真右は地元・岡山の第2代表、就実の清家・鶴岡ペア。木更津総合戦で貴重な勝利。
 きびじアリーナでは女子学校対抗1回戦がスタート。5日間の熱戦の火ぶたが切って落とされた!

 女子学校対抗で、唯一初出場の須坂創成(長野)は、鶴岡東(山形)と大激戦。2ー2のラストで、単複出場の大平がゲームオールの接戦を制した。初出場での勝利は難しい。この1勝をもぎとった選手たちに拍手を送りたい。鶴岡東も男子に負けないハツラツプレーを見せていた。写真左は2番で勝利した須坂創成の北澤、右はラストを締めた大平。ふたりで単複合わせて3勝を挙げた。
 アップが遅くなってスミマセン。今日7月31日の午後4時から、岡山県総社市にあるきびじアリーナ(総社市スポーツセンター)で行われるインターハイの開会式を目指して、東京を出発した王国取材班。「晴れの国」、岡山は暑いです。

 開会式では、観客席に陣取った全国47都道府県の代表選手たちが、北海道から順に入場行進。地元、総社高ダンス部の演舞では、2年生部員のキレのあるダンスの後、1年生部員たちが「美しく咲け、君の笑顔と努力の華」という今大会のキャッチフレーズをプラカードで掲げた。昨年度の優勝杯返還では、男子学校対抗(青森山田)と男子シングルス(三部航平)の優勝杯を、今大会の青森県代表である東奥学園が返還。「卓球王国」青森の代表として、彼らの活躍にも注目したい。

 選手宣誓を行ったのは、男子は関西高の田口隆主将、女子は山陽女子高の枝松亜実主将。地元勢として活躍を期待されるふたりが、「私たち選手一同は、私たちを支え、励まし、指導してくださったすべての方の気持ちを胸に、今こうして卓球ができることに感謝し、チーム一丸となって、正々堂々と競技することを誓います」と宣言。言葉どおり正々堂々と、実に力強い選手宣誓だった。

 外は暑いが、きびじアリーナの中は涼しくて快適。明日朝9時から女子学校対抗1回戦、11時から男子学校対抗1回戦がスタートする。いよいよインターハイ、開幕間近だ。
  • 堂々の選手宣誓、左は関西の田口主将、右は山陽女子の枝松主将

  • 北は北海道から、選手たちが入場行進

  • 地元・総社高ダンス部がキレのあるダンスを披露

30日16時から行われた公開抽選会によって男女の学校対抗組み合わせが決定した。

男子序盤戦の注目は関東チャンピオンの明大中野と、地元岡山の期待を背負う関西の1回戦。接戦必死のガチンコ対決になるだろう。そして熾烈な県予選を勝ち抜いた神奈川代表の慶應義塾は、強豪の大阪桐蔭と1回戦になる。
東山を倒し、京都府代表となった龍谷大平安は沖縄代表の前原と対戦する。前原も12年ぶりのインターハイ出場で気合いが入っているだけに激戦になるだろう。

女子は「震災を経験したチームとして胸を張って頑張りたい」という熊本の慶誠とエースの馬場が引っ張る芦屋学園が1回戦で対戦する。その上には愛み大瑞穂が構えており、このヤマは激戦になりそうだ。

明日の8月1日は男女学校対抗1・2回戦が行われ、ベスト16が決定する。
つまり、男女各39校が敗退するのだ。インターハイの初日はそれだけレベルが高い戦いになる。

男子組み合わせ
http://www.koutairen-tt.net/H28bt.pdf

女子組み合わせ
http://www.koutairen-tt.net/H28gt1.pdf
  • 男子組み合わせ

  • 女子組み合わせ