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全国高校選手権(インターハイ2016)

女子シングルスで1年生女王に輝いた早田ひな。決勝の相手であるカットの橋本に対しては、今年のワールドツアーで4勝0敗。苦手としている準決勝の相手、梅村に対しては「今大会はプレッシャーが大きかったけど、準決勝だけはそれを忘れて向かっていく気持ちでやれた」と語ったが、決勝では得意としている橋本。それは心理的にはむしろプレッシャーが大きいものだ。

橋本も、「今度こそは」の思いと初優勝に懸ける執念で、第1ゲームから積極的に攻撃し、カットでも早田のミスを誘う。「橋本さんは私にフォアサイドから打たせたくないので、フォアカットもバックカットも、バックサイドにボールを集めてきた。すごく苦しかった」と試合後の早田。
5ー1、9ー3と一気にスタートダッシュした橋本が、第1ゲームを先取した。ループドライブを待ち伏せての、バックハンドのカウンターも有効だった。

しかし、第2ゲームの出足でまた橋本に攻撃されても、早田は冷静。フォアスマッシュも台からやや距離を取り、しっかり止める。早田のフォア面は粘着ラバー、強烈にループをかけたボールと、ナックル気味に前に落とすボールの変化が激しい。カットがまっすぐネットに刺さるような、橋本らしからぬミスが何本もあった。そしてあまいカットには、バッククロスへ流れるようなスマッシュで打ち抜いた。

早田が挙げる勝負のポイントは第3ゲーム。3ー7のビハインドから9ー7と逆転。会場が息をのむ長いラリーは、常に早田が得点。なんという精神力か。その後も試合の主導権を渡さず、第5ゲームを11ー9で制して優勝を決めた早田。涙を流してベンチの松井清美監督と抱擁した。

「絶対に優勝するんだ」という意志にあふれた早田のプレー。多彩なプレースタイルが揃う「黄金世代」の中でも、抜群の攻撃力を備えた早田の成長は頼もしい。今後は台上技術と3球目攻撃の精度を高め、大きく成長してほしい。

敗れた橋本も、2020年東京五輪への出場という目標はブレていない。これほど打てるカットマンなのに、「今後の課題は攻撃」と語り、意外性のあるプレーにさらに磨きをかけようとしている。