スポンサーリンク

速報・現地リポート

トップニュース速報・現地リポート

全国高校選手権(インターハイ2016)

 最強の挑戦者、明徳義塾の挑戦をわずか1ゲームしか落とさずに退けた四天王寺。

 決勝トップの四天王寺・梅村、明徳義塾・三村の2年生対決は、どちらが挑戦者かわからないほど梅村が気合い満点のプレー。「サァーッ!サアーッ!サアーッ!」という梅村の声が何度もフロアに響き渡る。一方の三村は、相手のポジションを見切ったクレバーな両ハンドの配球で勝負するが、気合いを前面に押し出すタイプではない。決勝トップもやや硬さがあり、第2ゲームは0ー0から2本連続のサービスミス。第3ゲームにようやく調子を上げてきたが、4ー4から5ー6、7ー9とリードを奪われ、8ー11で梅村に屈した。

 2番は四天王寺がカットの橋本、明徳義塾は左腕の熊中。明徳義塾の佐藤利香監督は、決勝後に「有望株の井(い)を前半で出したかったが、カット打ちにはまだ不安がある。橋本さんが前半に出てくるのが読めていたので、前半には出しづらく、4番に置いた」ことを明かした。熊中は橋本のフォアに正確なループドライブを集め、打ちたくなるようなボールも我慢してつなぎ、フォアスマッシュでたたく。ゲームカウント1ー1の第3ゲーム、熊中が5ー1、6ー2とリードを広げた時には「橋本危うし」の空気も流れた。
 
 しかし、橋本はフォアに来るボールもバックの表ソフトで、しかも相手のフォアサイドへカットを送ったり、フォアサイドへのループをフォアとバックで切り替えながらカットするなど、球質に変化をつけてミスを誘う。要所でのフォアスマッシュや変化あるバックサービスでのエースも決まり、なんと2ー6から10ー6と8点連取。第4ゲームも出足からフォアスマッシュを打ち込み、8ー1と大きくリードして勝負あり。

 3番ダブルスは、四天王寺の梅村/塩見(真)ペアが高い守備力を見せ、熊中/小脇の強打をほぼノーミスでブロック。しかも梅村のバック面、塩見のフォア面は表ソフトなので、ブロックがクセ球になり、連打が難しい。明徳ペアにしてみれば「打てば打つほど不利になる」と錯覚しそうなラリー展開。第2ゲームのジュースの連続を制した四天王寺ペアは、第3ゲーム出足から鮮やかなカウンターを連発して勝利をつかんだ。

 優勝を決めた四天王寺の村田充史監督。「高校選抜の決勝でも明徳さんとやっていて、選抜は3ー1。でもラストで木村が先に負けていたから、実質は3ー2。そこに塩見が入った分、こちらは層が厚くなったかなと思っていた。決勝のポイントになったのは2番の橋本ですね。梅村が良いスタートを切ってくれて、2番橋本がエース対決でしっかり勝ちきってくれたことで流れが来た。ダブルスは昨日の決勝で負けていることもあって、どうかなと思っていたけど、最後はきっちり勝ってくれた」とコメントした。
 
 連覇がかかる今大会を、チャレンジャーとしてアグレッシブに戦い抜いた四天王寺。「負けられないという気持ちは常にあるんです。だから選手たちには『向かっていけ』と毎年言っています」(村田監督)。女王はどこまでも勝利にどん欲だった。
  • ビクトリースマイル! 梅村(手前)/塩見(真)ペア

  • 橋本に肉薄した熊中、敗れたとはいえエースの意地を見せた

  • 橋本の存在感は絶大。二冠を制し、明日三冠王へと突き進むか

  • 必死の声援を送る明徳ベンチ

  • 毎年恒例、優勝後に村田監督が選手と握手

  • 男女通じて歴代単独1位の21回目の優勝だ