現地時間で午後7時半に男子団体決勝、大会のフィナーレを飾るビッグマッチが火ぶたを切る。
日本男子は男子種目として、もちろん団体としても初のメダルは獲得した。決勝の相手はグレートウォールこと、王者中国。相手に不足はない。
正直に言おう。勝つことは厳しい。しかし、勝負なのだからどこにどんな可能性があるのかはわからない。しかも舞台は誰もが狂ってしまうオリンピックだ。シングルスで水谷が対戦した馬龍も途中からおかしくなっていた。チャンスがあった。
どうせ日本の一般マスコミは「頑張れ、金メダルだ、今の勢いなら行ける、水谷なら行ける」という雰囲気になっていいるのだろう。しかし、長年卓球界を見てきた人間からすれば、軽々しく「中国に勝とう」とは言えない。
彼らの環境、政治的な側面、競争の激しさを知っているからだ。でもだ、チャンスは大きくはないけど、ある。
テレビでは水谷だけがフォーカスされている感があるが、実際には吉村と丹羽の働きも大きい。ポーランド戦ではどうなるかと思われたが、その後、香港戦で吉村が黄鎮廷に勝利し、さらにドイツ戦でも見事なプレーを見せた。
水谷に関しては言わずもがな、長年ビッグゲームを見ているITTFの記者マーシャル氏は、席の後ろで興奮気味に、「水谷はひとつ上のレベルのステージに行った。素晴らしい」と賞賛を惜しまない。
誰もが水谷という選手の素晴らしさと卓球の魅力にはまっている。
今晩7時半(日本朝の7時半)に日本は新たな歴史に挑戦する。勝っても負けても日本のファンは、大会のフィナーレの目撃者になる。