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ジャパンオープン・荻村杯2017速報

●女子シングルス準決勝
孫穎莎(中国) 14、9、12、7 王曼昱(中国)

中国の若手対決、王曼昱と孫穎莎の一戦は、孫穎莎がストレート勝ち!

1999年2月生まれの王曼昱と、2000年11月生まれの孫穎莎。2000年生まれの日本の平野・伊藤・早田らと同世代の両選手だが、これまでの実績では14・15年世界ジュニア2連覇の王曼昱が圧倒していた。

しかし、試合が始まってみれば、スコアでは競りつつも孫穎莎の両ハンドの攻撃力が断然光っていた。身体能力が高く、バック対バックから回り込んでフォアドライブで仕掛けられるのがいい。そのフォアドライブも、早い打球点で上から振り抜く、非常にスピードにあふれた一撃だ。クロスとストレートの打ち分けも巧みで、4ゲーム目の9ー7の場面では、回り込んでバックストレート、そしてバッククロスと完璧なコースの打ち分けを見せ、長身の王曼昱をノータッチで打ち抜いた。3ゲーム目の終盤の競り合いの中で、フォアフリックでのレシーブエースを連発した勝負度胸もなかなかのもの。

孫穎莎の用具はフォアは粘着性裏ソフト、バックはスピン系テンション裏ソフトという中国選手の定番の組み合わせだが、ラケットはスティガ製のカーボンラケット。回転よりもスピード志向の用具と打法で、硬質なプラボールに適した中国女子卓球の最前線がここにある。今年1月に国家1軍チームに入ったばかりの孫穎莎、ワールドツアーへの参戦は今大会が初めてだが、衝撃的な活躍だ。

日本の「黄金世代」の選手たちは、2020年東京五輪を目指してしのぎを削っているが、中国はこの孫穎莎や王曼昱を2024年の五輪を見据え、じっくり育成していくだろう。
  • 強力なフォアハンドを披露した孫穎莎(スン・インシャ)

  • フォアハンドの仕掛けがまだ少ない王曼昱(ワン・マンユ)