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ジャパンオープン・荻村杯2017速報

男女シングルスの表彰式後に行われた男子の優勝会見。馬龍は優勝の感想について、「初めてジャパンオープンで優勝できてとてもうれしいし、プレーには満足しています。世界選手権が1週間前に終わったばかりで、選手たちは皆疲れている中でタイトルを勝ち取ることができたのはうれしい」と語った。一方、樊振東は「今大会では自分の力は発揮できたと思う。馬龍におめでとうと言いたい」と語った。

互いの印象について尋ねられた際、馬龍は樊振東について、次のように語っている。「ここ数年来、樊振東の成長は皆さんが見ているとおりです。彼の実力は世界選手権やオリンピックで優勝できるものです。今回の対戦でも、私が勝っていてもほんの1点くらいの差だったりする。最近は私が勝っているけれど、まだ若い樊振東はきっと私たちを超える存在になるでしょう」。

09・11・13年と世界選手権では3大会連続で王皓に敗れ、世界の頂点に立てなかった馬龍。その他の選手にはほとんど負けなかったが、王皓だけには分が悪かった。そして今、樊振東も許シンや張継科には分が良くなっているが、馬龍だけには勝てない。
かつては王皓という壁の前に立ち尽くした馬龍が、今は樊振東の前に立ちはだかっている。その心境はどんなものなのか、これからも若手選手の前に立ちはだかる壁になりたいのか。馬龍に尋ねてみたところ、彼は少し笑みを浮かべた後、こんな答えを返した。

「実は私自身、若い選手の前に立ちはだかる壁だと思ったことは一度もありません。私の前にもたくさん憧れの先輩、五輪や世界チャンピオンがいましたが、試合の時はいつもゼロから、同じスタートラインに立つと感じています。私はいつも平常心を保って、トレーニングをする時も若い選手と一緒になってやっている。これが今のレベルを維持できる理由だと考えています」(馬龍)

少しくらいは「先輩キャラ」を出すかと思ったが、実に模範的な回答。表情にはさすがに疲労の色もにじんでいたが、馬龍はどこまでもさわやかなチャンピオンだった。