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中国リポート

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 かつて中国の伝統的スタイルと言われたペンホルダー速攻型は、本家・中国においてもすでに希少な戦型になっている。常に多彩な戦型を育成するというのが中国卓球の伝統。そのため、全中国運動会や全中国選手権の団体戦では、ペンホルダー速攻型を「保護」する次のような規定がある。
 「女子団体の登録メンバーには、各チームにつき必ず1名、ペンホルダー速攻型の選手を含まなければならない。男子団体ではペンホルダー速攻型か、カット主戦型の選手を必ず1名含まなければならない」。
 もっとも、今回の全中国選手権の団体戦は北京五輪と同じで、各チーム3名ずつが出場する4単1複の試合方式。登録されたペンホルダー速攻型やカット主戦型の選手は、王皓や馬琳、侯英超といったトップ選手を除いて、ほとんどが補欠に回ることになるだろう。

 日本でもかつて全国中学校大会や、全国ホープス大会には「各チームに必ず1名、ペンホルダー表ソフト速攻型の選手を含まねばならない」という規定があった。中国も以前はペンホルダー「表ソフト」速攻型に限定していた。卓球を始めた時、ペン表ソフト速攻型だった偉関晴光選手(当時:韋晴光)は、ジュニア時代にコーチに裏ソフトを勧められた時、「団体戦に出られなくなるかもしれない」ので裏ソフトには変えたくなかったそうだ。
 しかし、現在はペンホルダーならば、裏ソフトやツブ高を使用しても構わないため、実質的にはペンホルダーの保護策と言ったほうが正しいかもしれない。そしてメンバーとして登録されるペンホルダー速攻型のほとんどが裏ソフトの使用者だろう。
 ペン表ソフト速攻型危うし。第二の江加良、第二の劉国梁は果たして現れるのだろうか。

Photo上:独特のサービスフォームが今では懐かしい劉国梁
Photo下:06年世界ジュニア複優勝の姜海洋。若手では数少ないペン表ソフト速攻型だ