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中国リポート

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 団体戦の結果をお伝えしていた「中華人民共和国第6届城市運動会(第6回都市運動会)」。10月26日に卓球競技の全日程を終了し、各種目のチャンピオンが決定した。上位選手は以下のとおり。

〈男子シングルス〉
1.馬龍(成都市) 2.呉ハオ(シ博市) 3.許シン(日+斤/上海市浦東新区) 4.張継科(青島市)
〈女子シングルス〉
1.丁寧(成都市) 2.李暁霞(済南市) 3.曹臻(浜州市) 4.郭躍(瀋陽市)
〈男子ダブルス〉
1.張継科/周キン(金×3)(青島市) 2.許シン/尚坤(上海市浦東新区)
〈女子ダブルス〉
1.郭躍/侯暁旭(瀋陽市) 2.文佳/楊揚(瀋陽市)
〈混合ダブルス〉
1.劉吉康/郭躍(瀋陽市) 2.陳浩/李暁霞(済南市)

 男子シングルスは世界ランキング6位の馬龍が文句なしの優勝。大会を視察に訪れていた陸元盛・元国家女子チーム監督も「2012年ロンドン五輪では、馬龍がチームの主力選手になるだろう」と太鼓判を押した。準優勝の呉ハオは06年世界ジュニア選手権のダブルスチャンピオン。3位の許シン(左ペンドライブ型)は国家1軍チームの重点強化選手で、現世界チャンピオンの王励勤以来、上海から久々に登場した期待の選手だ。

 ハイレベルな戦いが繰り広げられた女子シングルスは波乱続出。超級リーグで今シーズン、北京首創チームの優勝に貢献した丁寧が準決勝で郭躍に4-1、決勝で李暁霞に4-2で勝利。5月の世界選手権ザグレブ大会で決勝を戦ったふたりに付け入るスキを与えず、圧巻の優勝を飾った。
 昨年のフォルクスワーゲン荻村杯で福岡春菜(中国電力)に敗れた時はまだ粗さが目立っていたが、今年に入ってからの急成長ぶりは目を見張るものがある。長身の左シェーク前陣速攻型で、身体能力の高さが光る選手だ。要所ではしゃがみ込みサービスからの速攻でポイントを稼ぐ。馬龍と同様、2012年のロンドン五輪で女子チームの主力になり得る選手だろう。

 ところで、今回の城市運動会は21歳以下の選手たちの大会にも関わらず、選手たちの「傭兵問題」が話題になっている。
 男子シングルス優勝の馬龍は遼寧省鞍山市の出身で、前回の城市運動会には北京市代表として出場し、今回は成都市(四川省)からの出場。女子シングルス優勝の丁寧も、やはり前回大会では北京市代表として出場していた。また、女子団体の地元・武漢市チームは上海市の姚彦、山西省の武楊など、ほとんどが多省出身の選手で占められている。まさに日本の国民体育大会さながらの状況だ。
 一方、人材の流失が最も甚だしいのは遼寧省で、女子団体では郭躍率いる遼寧省チームが、同じく遼寧省出身の劉詩ブン率いる広東省に優勝を阻まれるという、なんとも皮肉な結果となった。

Photo:長身で爽やかなルックスの丁寧。計り知れない可能性を秘めた選手だ
Photo:順当に優勝を決めた馬龍。こちらも将来の世界チャンピオンか