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中国リポート

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 1月7日に中国卓球協会が発表した、『2018年中国卓球協会・2018年国際大会派遣選手選抜規定』への疑問に対する回答文書。主な質問と回答を要約すると、以下のとおりになる。

◎この選考規定を定めた主な目的は何か?
「国際大会に派遣する選手の選考をよりオープンにして、公正かつ公平でクリアなものにすること。選手選考の範囲をより広くすること。より多くの選手たちを国際大会に出場させ、大会を通じて選手たちを強化し、卓球界での中国の優位性を保つ。2017年に様々な国際大会に出場した中国選手は、延べ人数で182人だったが、2018年は600人以上にする。同時に省チームやクラブチームの選手にも国際大会に参加する機会を与え、より活性化させていく」

◎2006年から行われてきた代表選考会「直通○○」はなくなるのか?
「そういうわけではない。『直通』選考会は国家チーム内での公平な競争を実現し、中国が長年に渡って主要な国際大会でトップの地位を占めるうえで重要な役割を果たし、社会からの注目も集めてきた。チーム内での公平な競争による選抜方式は、今後も一定の範囲内で継続していく」

◎国家チームに貢献している中堅クラスの選手たちから、世界チャンピオンになるチャンスを奪ってしまうのではないか?
「そういうわけではない。すべての選手が競争に参加し、同等のチャンスが与えられる。国際大会に出場できる延べ人数が増えるので、選手たちのチャンスはより多くなる」

◎21歳以下の選手に出場枠を与えた目的と意義は?
「卓球というスポーツでの選手育成において、重要なのは『以老帯新、以新促老(ベテランが新人を導き、新人がベテランを活性化させる』こと。若い選手たちとベテランの選手たちをともに国際大会に派遣し、彼らの精神を鍛錬し、技術レベルを向上させる。チームビルディングを行ううえで、『召之能来、来之能戦、戦之必勝(召集すればすぐ集まり、集まればよく戦い、戦えば必ず勝つ)』ということが、超一流のチームにとって重要な意義を持つ」

◎(選考に関わる)国内でのランキングシステムの公布について
「近日中に対外的に公布する。中国卓球協会が国内外の大会のスケジュールなどを考慮し、全体の計画を立てたうえで、協会HP上で定期的に最新のランキングを発表していく」

 これらの質問と回答、「質問しているのは誰なんだ?」と思うかもしれない。これは個人のブログや掲示板など、インターネット上での選考規定に対する疑問を拾い上げていったものだろう。体制の急激な変化やスーパーリーグの運営上の混乱など、ファンからの不信感が募る協会側からのすばやい対応。選考基準の発表と同じくらい画期的なことだ。
 一方で、「公開、公正、公平」や「召之能来、来之能戦、戦之必勝」といった標語の使い方、玉虫色の表現などはいかにも「お国(党中央)からの発表」という、古めかしい感じがする。「召之能来、来之能戦、戦之必勝」というのは人民解放軍のスローガンで、昨年8月に解放軍の90周年祝賀大会で習近平主席が発言している。ある意味、タイムリーですね。
  • U-21の選考会を制し、2月のワールドチームカップで代表入りした于子洋