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中国リポート

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 3月15〜17日、北京にある国家チームのトレーニングセンターで、4月29日〜5月6日にスウェーデン・ハルムスタッドで行われる世界選手権団体戦の代表選考会が行われた。男子の結果からお伝えします。

 今年1月、国際大会に派遣する選手の新しい選抜規定を発表した中国卓球協会。世界選手権団体戦の代表5名を選ぶ5つの選考基準のうち、「(1)17年世界選手権1〜3位から1名」「(2)17年全中国運動会1〜3位から1名」「(4)17−18中国スーパーリーグの通算成績1〜3位から1名」という3つの選考基準により、男子では馬龍・樊振東・許シンの3名が代表権を獲得した。(4)のスーパーリーグの成績による選考基準には、「国家チームの選手は除く」という注釈があったが、上位3名に国家チーム以外の選手が入ることはできなかったため、結果的には協会推薦枠に近い形になったようだ。

 そして男子代表選考会に出場したのは、梁靖崑・薛飛・周啓豪・閻安・林高遠・劉丁碩・周愷・王楚欽・周雨・方博。この10名の中で最終順位が1位になった選手と、21歳の周啓豪、20歳の劉丁碩、19歳の薛飛、17歳の王楚欽という「U-21(21歳以下)」の4名の中で一番順位が上の選手、計2名が代表権を獲得する方式だった。
 その結果、最終順位1位で代表権を獲得したのは林高遠。周雨に0−3、周啓豪に2−3で敗れたものの、リーグ終盤で勝負強さを見せ、7勝2敗で選考会を終えた。続く2位には王楚欽と梁靖崑が6勝3敗で並び、直接対決で3−1で勝利した王楚欽が2枚目の代表切符を手にした。2位で選考会を終えたことで、U-21の出場枠に頼らずとも代表権を獲得できる力があることを示した王楚欽。「自分をU-21の枠で出場している選手とは考えず、すべての選手と真っ向勝負をするつもりで戦い抜いた」と試合後に語った。

 馬龍・樊振東・許シン・林高遠・王楚欽という男子代表5名は、決まってみればベストに近いメンバー。一方、09年世界選手権から9大会連続で世界選手権代表に名を連ねてきた張継科は、代表選考会を欠場したことで10年ぶりに世界選手権代表の座を失うことになった。張継科自身は世界選手権が閉幕した5月以降に国際大会に復帰する意向を示しているが、世界ランキングはすでに70位(18年3月)まで下落しており、さらに下がることが予想される。

 中国男子チームは昨日18日、劉国正コーチとともにITTFワールドツアー・ドイツオープンに出場する馬龍・許シン・方博・于子洋という「ドイツ組」と、呉敬平コーチとともに福建省厦門市に入り、今回で16回目となる1カ月の集合訓練をスタートさせる「国内組」に別れて移動した。集合訓練に帯同するコーチ陣は、呉敬平・劉国正・王皓・馬峻峰・劉恒の5名で、世界選手権団体戦にもこの5名が帯同するという。総監督を辞任した劉国梁、そして昨年6月の「ボイコット事件」に加担した前男子監督の秦志戩、コーチの馬琳はチームを離れている。指導者として十分な実績を残した劉国梁はともかく、コーチとしてこれからが勝負だった秦志戩と馬琳。国家チームの指導の現場へ、復帰はかなうのだろうか。
  • 選考会1位で代表権を獲得した林高遠(写真は17年ワールドカップ)

  • 王楚欽は首脳陣の期待に応え、代表入り(写真は17年世界ジュニア)