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中国リポート

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 中国はほとんどの競技が全国に数カ所の訓練基地を持っている。国家卓球チームも現在、中国全土に5つの訓練基地を持っており、さらに三つの訓練基地が建設中だ。その規模はさまざまだが、近年は卓球場と宿舎だけでなく、プールや陸上競技場、会議場やホテルを備えるなど次第に大型化している。

 訓練基地といっても、年中そこで国家チームが集合訓練を行うわけではないため、普段は併設する卓球学校や、省チーム・市チームも使用する。日本のジュニアナショナルチームも正定の訓練基地で合宿をしているように、海外の選手たちも受け入れている。訓練基地は市政府・区政府が経営する公営のものが多いが、経営にはなかなか苦労しているようだ。
 しかし、国家チームの集合訓練には多くのマスコミが詰めかけ、地元に与える経済的効果は大きい。そのため、「我が街に卓球の訓練基地を」と立候補する都市が相次いでいる。一方で、古株の訓練基地では補助金による設備投資を行って集合訓練の誘致に乗り出すなど、“国家チーム争奪戦”が激しさを増している。
 現在、中国国内にある国家チームの訓練基地は、建設中のものも含めて以下のとおり。
※[]内の数字は完成した年

1. 湖北省黄石卓球訓練基地[1987]
2. 河北省正定国家卓球訓練基地[1991]
3. 黒龍江省大慶卓球訓練基地[1997]
4. 山東省wei(さんずい+維)坊英才学府中国卓球訓練基地[2000]
5. 広東省仙頭卓球訓練基地[2007年9月]
6. 福建省厦門卓球訓練基地(※建設中)
7. 浙江省寧波北侖卓球訓練基地(※建設中)
8. 中国卓球通州国際訓練基地(※建設中)

 上記の他、河北省秦皇島には、サッカーコート20面などあらゆる競技の施設を備えた、巨大な国家体育総局の訓練基地がある。1973年に建設されたもので、以前は国家チームの集合訓練と言えばここで行われることが多く、中国卓球のメッカとも言える存在だった。現在でもエキシビション・マッチや若手選手の合宿などで使用されている。また、北京にも国家チームの総合訓練所がある。

MAP上:訓練基地の所在地(クリックで拡大)
Photo中・下:北京市から南西に260キロ、河北省正定市にある正定国家卓球訓練基地の様子(01年当時)。ビリヤード場やカラオケ、サウナもあり、2人部屋はホテルのような部屋だ