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中国リポート

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 11月7~11日、ドイツ・ブレーメンで行われたITTFプロツアー・LIEBHERRドイツオープン。北京五輪の自動出場枠の獲得を目指し、各国の強豪が目の色を変えて挑んだこの大会、男子シングルスを制したのは馬龍(マ・ロン)。準々決勝から王皓、ボル、馬琳を連破しての優勝には文句のつけようがない。

 馬龍は1988年10月20日、遼寧省鞍山市生まれ。5歳で卓球をはじめ、遼寧省体育学校に進学し、13歳でコーチの関華安に連れられて北京西城体育学校に転校。2年後の2003年にはわずか15歳で国家チームの1軍に昇格し、翌04年の世界ジュニア選手権で優勝。06年世界団体選手権ブレーメン大会で初の世界タイトルを獲得し、今年2月のクウェートオープンではプロツアー初優勝。世界ランキングも7位まで上げてきている。
 プレースタイルは右シェーク両面裏ソフトドライブ型。身長は175cmとヨーロッパ選手ほど高くはないが、胴回りがたくましく、体幹の強さを感じさせる。見た目の派手さはないが、確実に相手の弱点を突いていくコース取りは若手選手とは思えない。

 現在、中国チーム首脳陣の期待を一身に集めている馬龍。今年6月のフォルクスワーゲンオープン荻村杯準決勝、馬龍は呉尚垠(韓国)に完勝したが、試合後に劉国梁監督から厳しい口調で注意を受けていた。直立不動で劉国梁監督の前に立っていた馬龍の姿を思い出す。「2012年のロンドン五輪では馬龍がチームの主力になるだろう(陸元盛・元国家女子チーム監督)」という声が多かったが、欧州でのプロツアーでボル(ドイツ)に2試合連続ストレート勝ちしたことで、北京五輪への大抜擢の可能性もゼロではなくなってきた。

 ところで、馬龍のプレーでどうにも気になるのが個性的なフリーハンド。このフリーハンドのせいで、彼のプレーはなんとなくユーモラスに見える。写真をつなげるとパラパラを踊っているみたいだが、本人としてはこれをやらないとプレーできないのだろう。将来、馬龍がオリンピックの金メダリストになったら、このフリーハンドを真似するちびっ子選手が続出するかも…しれない。

Photo上:「南~無~」。まるで卓球するお坊さんです
Photo中:「前へならえ!」バックドライブ
Photo下:ビシッと敬礼バックハンド。Photo中とほとんど一緒?