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中国リポート

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 先月から1カ月に渡ってヨーロッパ各地で行われたITTFプロツアー5連戦。スウェーデンオープンが18日に閉幕し、今年度のプロツアーはこれですべて終了した。中国男子チームの戦いぶりはどうだっただろうか。

★ロシアオープン(10.18-21)
S優勝:陳杞 W2位:陳杞・邱貽可
★オーストリアオープン(10.24-28)
S優勝:陳杞 W3位:陳杞・邱貽可
★フランスオープン(10.31-11.4)
S優勝:馬琳/2位:王皓/3位:馬龍/ベスト8:王励勤
W優勝:馬琳・王皓/3位:王励勤・陳杞
★ドイツオープン(11.7-11)
S優勝:馬龍/2位:馬琳/3位:王励勤/ベスト8:王皓
W優勝:王皓・王励勤/3位:馬琳・馬龍、陳杞・邱貽可
★スウェーデンオープン(11.14-18)
S優勝:王皓/2位:馬龍/3位:馬琳、王励勤
W優勝:王皓・馬龍/3位:馬琳・王励勤

 超級リーグの成績上位者と陳杞をエントリーさせたロシア・オーストリアの両大会で陳杞が2連勝し、最後の猛アピールかと思われたが、フランスオープンでは陳杞は馬琳に敗れ、ベスト8止まり。そしてドイツオープン以降はこれまで王励勤・馬琳・王皓・陳杞の4人で組み替えてきたダブルスのペアリングに、フランスオープンでボルを吹っ飛ばした馬龍が加わり、陳杞は外された。この時点でペアリングのテストから外されたということは、陳杞には五輪出場の可能性はあるまい。
 このヨーロッパ遠征で最も注目を集めた馬龍、北京五輪への大抜擢の可能性もゼロではない。しかし、彼の年齢を考えると、2012年までじっくり育成して、男子チームのエースとしてロンドン五輪に出場させるはずだ。当たり前だと言われそうだが、王皓、馬琳、王励勤というトップ3が五輪に出場する公算が高くなった。

 現世界チャンピオンの王励勤は今シーズン、98年レバノンオープンでプロツアー初優勝して以来、初のプロツアー無冠に終わった。これは中国国内でもひとつのサプライズとして報道されている。これまで得意としていた王皓に4戦連続で敗れるなど、同士討ちでの黒星が響いた。
 世界ランキングによる五輪への直接出場枠は、現時点では世界ランキング1位の王皓が確実に獲得するだろう。今シーズンの強さと安定感は際立っており、中国卓球協会としても異存はないはずだ。一方、2位の馬琳と3位の王励勤のポイント差はわずかで、プロツアーファイナルなどの成績しだいでは逆転可能だ。

 王励勤と馬琳、どちらが大陸予選に回っても予選落ちはしないだろうが、馬琳にはここ一番という試合でナーバスになる悪癖がある。2000年の五輪アジア大陸予選でも予選落ちを喫している。個人的な予想だが、王皓と馬琳は直接出場枠で出場させ、王励勤はアジア大陸予選でもう一度気を引き締めさせる、という形になるのではないか。来月13日から行われるプロツアーグランドファイナルでは、なんらかの戦略的指示(勝敗操作)が行われる可能性もある。

Photo:北京に燃える赤い軍団。上から王励勤、馬琳、王皓