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中国リポート

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 女子世界ランキング1位の張怡寧がITTFトーナメント・オブ・チャンピオンズを欠場した。先週行われたプロツアー・グランドファイナルで太ももの肉離れを起こしたためだ。張怡寧は11月のプロツアー欧州遠征でも首と腰を傷め、全中国選手権を棄権している。
 近年、中国選手の選手寿命はかなり長くなってきているが、張怡寧も今年10月で25歳。そろそろ引退してもおかしくない年齢だ。

 まだメンバーは確定とは言い切れないが、来年8月、北京五輪・卓球競技への出場が予想される中国代表の年齢は、例年に比べてもかなり高い。男子の王励勤(大会時30歳)は30歳代で五輪(卓球競技)に出場する初めての中国選手になるし、王楠も出場すれば29歳で、女子選手としては過去最高齢。男子の代表メンバー3人(王皓・馬琳・王励勤)は4年前のアテネ五輪と同じで、平均年齢は27.33歳とこちらも過去5大会に比べてもっとも高い数字だ。

 それだけに各選手とも抱える古傷は多い。「中国チームで最も体のケアに気を使う選手」と言われる王励勤も、昨年10月の全中国選手権・個人戦を右肩痛で棄権。馬琳は右肩と腰をよく故障しており、昨年1月には右肩を傷めてエキシビションマッチを途中棄権。郭躍も腰の持病で、昨シーズンの超級リーグでは長期欠場している。王楠に至ってはまさに満身創痍。特にリストを活用するスイングのため、左手首の故障は慢性化している。

 男女とも断トツの優勝候補と言われる中国チーム。しかし、王励勤、馬琳、王楠、張怡寧といった主力選手たちは、すでに身体能力の面では下り坂。北京五輪が現役選手として迎える最後の五輪になるだろう。彼らにとって最大の敵は実は「故障」なのかもしれない。来年1月7日から広州でスタートする集合訓練では、チームの首脳陣も選手の体のケアに気を使うことになりそうだ。

Photo:今年5月のザグレブ大会で優勝を決めた張怡寧/王楠。足元に目をやると、王楠の右足首と膝、張怡寧の左足首など、激戦の代償が見てとれる(クリックで拡大)