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中国リポート

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 2月1日にITTF(国際卓球連盟)から発表された、2008年2月の世界ランキング。男子のトップ10にはまったく変動はなかったが、女子では張怡寧がたった1カ月で世界ランキング1位の座に復帰。一方、1月発表の世界ランキングで初めて1位になった郭躍は3位に後退、李暁霞が自己最高位の2位に入った。
 1月には中国選手が参加した国際大会は1試合もなかったのに、どうしてランキングが入れ替わるのか。ご存知の方も多いと思うが、そのカラクリは各大会の成績によって加算されるボーナスポイントにある。あまり面白い話ではないかもしれないが、少しだけ説明してみよう。

 世界ランキングを決める「ランキングポイント」は、「レイティングポイント」と「ボーナスポイント」を合計したものだ。
 レイティングポイントは、自分よりレイティングポイントが上の選手に勝てば加算され、下の選手に負けると減算される。一方、ボーナスポイントは大会の成績に応じて加算される。たとえば世界選手権の場合は、優勝すると60ポイント、3位には45ポイント、ベスト16には20ポイントが与えられる。
 レイティングポイント、ボーナスポイントはともに大会の格付けによって数値が決められており、世界選手権やオリンピックなどのビッグゲームのほうが、当然加算されるポイントも大きくなっていく。

 レイティングポイントは、たとえ最強無敵のチャンピオンが存在したとしても、相手のポイントが自分より低いほど、加算がゼロに近づいていくので、ポイントの伸びは次第に横ばいになる。
 一方、ボーナスポイントは放っておくとどんどん加算されて、ランキングポイントが天井知らずで上がり続けてしまう。そこで毎年開催の大会の場合、ボーナスポイントは加算された1年後に消滅するようになっている。隔年開催の大会は50%、オリンピックやアジア競技大会など4年ごとの大会は25%ずつ消滅していく。

 大会に出場もせず、誰かに負けたわけでもない郭躍が、世界ランキング1位の座をたった一カ月で明け渡してしまったのも、このボーナスポイントの消滅によるものなのだ。郭躍の1月のランキングポイントは12807.75、2月は12735.75。昨年1月のクロアチア・スロベニアの両プロツアーで優勝したボーナスポイント、36×2=72ポイントが引かれている。張怡寧もこの2大会には出場していたのだが、ベスト16と3位であまり成績が良くなかったため、今回引かれたボーナスポイントも少なかった、というわけ。

 郭躍としてはちょっとガックリ?! しかし、郭躍が1月発表のランキングで1位になれたのも、一昨年12月にプロツアーファイナルなどで優勝した張怡寧のボーナスポイントが一気に消滅し、ランキングポイントが大きく下がったため。まずは痛み分けというところか。

Photo上:張怡寧、あっさり世界ランキング1位に返り咲き
Photo下:ボーナスポイントの波に揺られる郭躍。本人は大して気にしていないかも