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中国リポート

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 25日に行われた女子団体予選グループAの第2戦、中国vs.北朝鮮戦のトップで、王楠がキム・ジョン(金仲)に1-3で敗れた。2年前のブレーメン大会ではストレートで完勝している相手に対し、第4ゲームは8-1とリードしてから11-13と大逆転負けを喫するなど、王楠らしからぬ敗戦だった。
 北朝鮮戦といえば、王楠には苦い記憶がある。2002年のアジア競技大会・女子団体決勝の北朝鮮戦でキム・ヒャンミ、キム・ヒョンヒに相次いで敗れ、まさかの2失点。北朝鮮に大金星を献上したのだ。抜群の勝負強さでビッグタイトルを総ナメにしてきた王楠にとって、初めての大きな挫折だった。

 五輪出場を狙う王楠の思わぬ敗戦に、中国のマスコミは「爆冷負朝鮮小将王楠泪酒(王楠、朝鮮の若手に予想外の敗戦で涙)」「王楠輸球含涙給自己打零分(王楠、敗戦に涙で語る。今日のプレーは0点)」など、さも王楠が試合後に涙を流したかのように書き立てた。
 これが女王の逆鱗(げきりん)に触れたようで、翌日王楠は「はっきりさせておきたいんですが、私は昨日泣いてませんよ。いつも私が負けるたびに、みんな『王楠は泣いた』と言うけれど、マスコミの方々は私をそんなに弱くて脆(もろ)い人間だと思ってるんでしょうか?(出典:体壇周報)」とキッパリ否定。「泣いた!」「泣いてない!」とまるで小学生の喧嘩になりそうだが、予選グループで負けたぐらいで、簡単に泣くような選手だと思われるのは、女王のプライドが許さないだろう。

 左写真上は、大会取材で奮闘中の渡辺トモが送ってくれた、キム・ジョン戦直後の王楠の様子。その顔に涙は見られないし、施之皓監督もまだまだ余裕の表情。「もし私が試合で涙を流すとしたら、それは北京五輪での最後の瞬間を、飾る涙であって欲しい(王楠)」。北京五輪への最終コーナーで、この敗戦が女王を再び加速させるのか。

Photo:今大会でキム・ジョンに敗れた直後の王楠
Photo:02年アジア競技大会決勝では、予想外の苦戦に口を真一文字に結んで厳しい表情。当時、王楠が敗れるなど誰も想像できなかった