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中国リポート

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 次第に開幕の日が近づいてきた北京五輪。卓球競技も各大陸予選がすでに終了し、5月8~11日の世界最終予選(於:ハンガリー・ブダペスト)を残すのみ。五輪代表枠は男女ともに64で、世界最終予選の出場枠は男女とも3。その他の61の代表枠は、国内オリンピック委員会の承認を得ていない選手がいるものの、ほぼ確定している。

  これまでに出場を決めた61人の選手のうち、中国および中国からの帰化選手が何人いるか、男女ともカウントしてみた。チャイニーズタイペイの荘智淵と黄怡樺は台湾出身で扱いが難しい選手だが、中国国家チームや超級リーグで腕を磨いたことを考慮して中国選手の中に加えた。すると、男子では16人、女子ではちょうどその倍の32人の中国系選手がいる。男子では全体の1/4、女子は全体の1/2が中国系選手なのだ。

 男子はともかく、女子の全体の1/2というのはかなり異様な数字だろう。昨年末のITTFプロツアー・グランドファイナルで出場16選手中13人が中国系選手だったのも異様だったが、各国3名までしか出場できない五輪で、ひとつの国の出身者が過半数を占めるというのは他のスポーツでは想像できない。
 加えて、世界最終予選にも男女各6名の中国系選手が出場する。参加資格が認められた女子の帖雅娜と林菱(ともに中国香港)に加え、男子の張ユク(中国香港)、ヤン・ミン(イタリア)、ワン・ツォンイ(ポーランド)、女子のミャオ・ミャオ(ニュージーランド)、バーテル(ドイツ)と強豪が揃う。また、パスポートを取得していなかったため、世界ランキングによる自動出場枠をボージック(ドイツ)に譲ったション・イェンフェイ(スペイン/世界ランキング36位)も出場者リストに入っている。

 現在、国際オリンピック委員会は肥大化した五輪の縮小を進めている。卓球の普及度を考えれば、五輪種目から外される可能性は低いが、「発展性の低い競技」と見なされる危険性は否定できないだろう。

Photo上:左シェーク異質速攻型のション・イェンフェイ。パスポートをギリギリで取得できたのか…?
Photo下:オセアニア予選では思わぬ不調で代表権獲得を逃したミャオ・ミャオ。故郷に錦を飾ることができるか