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中国リポート

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 4月18日、「2008茅台集団中国卓球チーム・エキシビションマッチ」が北京市の国家体育総局卓球場で行われた。「茅台集団」とは、国賓との祝宴などに供される中国随一の銘酒「茅台酒」で有名な、貴州省にある酒造会社だ。(中国リポート2007/10/25[中国卓球チーム、茅台酒で乾杯!]参照)
 隊内試合とはいえ、観客やテレビカメラを入れて、実戦さながらの緊張感で行われたこのエキシビションマッチ。女子1軍チームの試合形式は異例中の異例。なんと国家男子2軍チームとの対戦となった。07年ザグレブ大会前のエキシビションマッチでも、張怡寧が韓国の金キョン娥・朴美英らを想定して上海男子チームのカットマン・胡冰涛と対戦したことがあるが、団体戦での対戦はここ数年では記憶にない。結果は以下のとおりとなった。

[国家男子二軍隊 3-1 国家女子一軍隊]
○閻安  3-2  王楠
○方博  3-1  郭躍
 宋鴻遠 1-3  李暁霞○
○方博  3-0  王楠

 故障の張怡寧を欠いたとはいえ、なんと世界最強を誇る中国女子チームが男子の2軍チームに一蹴されてしまった。
 トップの王楠は、雰囲気に飲まれた閻安から1ゲームを先取し、第2ゲームも10-7でゲームポイントを握ったが、ここから開き直った閻安に逆転を喫した。2番に出場した郭躍も、方博にドライブの威力と回転量の差を見せつけられて完敗。
 唯一の勝利を奪ったのが、3番に出場した李暁霞。第1ゲームを8本で落としたものの、第2ゲームから男子顔負けの威力ある両ハンドドライブを連発、ジュースとなった第4ゲームも13-13から2本連取して競り勝った。しかし、4番では王楠が方博に第1・2ゲームとも逆転され、第3ゲームは凡ミスを連発して万事休す。

 女子1軍チームから2点を奪った方博は、06年アジアジュニア・カデット団体で上田仁、松平健太に連敗。その後ジュニア代表にも選ばれていない選手だ。トップで王楠を破った閻安も、07年世界ジュニア準々決勝でパイコフ(ロシア)に完敗している。
 男子選手のパワーと強力な3球目攻撃に対し、王楠のようなラリー志向の女子選手が不利になるのは確かだろう。中国女子チームが目指している「プレーの男性化」も、まだ過渡期にあるということなのか。04年世界団体ドーハ大会で張怡寧を破り、王楠をあと一歩まで追いつめた梅村礼(現文化シヤッター)のプレーを思い出さずにはいられない。

Photo上:郭躍、王楠を連破した右シェークドライブ型の方博(06年アジアジュニア)
Photo中:トップで勝利し、チームを勢いに乗せた閻安(07年世界ジュニア)
Photo下:2失点を喫した王楠。しかし落ち込んでいる暇はないだろう(07年プロツアーファイナル)