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中国リポート

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 5月11・12日の2日間、北京市で「2008中国超級リーグ」の「摘牌大会(ドラフト会議)」が行われる。
 これは主として、ある程度自由にクラブチームを移籍する権利を持った、「自由人」と呼ばれる世界選手権・五輪のチャンピオンを対象としたもの。その他、国家チームの準主力級の選手もドラフトにかけられる。
 今回の「摘牌大会」には、いくつかの改革がある。まず、これまでは選手にはクラブの選択権が与えられていなかったが、今年から選手が移籍を希望するクラブを3つ選択し、その3つのクラブが落札希望額を提示。最も高い金額を提示したクラブが、その選手を獲得するというシステムに変わった。金額が関わってくるので一概には言えないが、部分的な逆指名権が認められたことになる。また、選手の保有権も1年から2年に延長されている。

 今回のドラフト会議では、「自由人」を1人だけ保有しているクラブは、必ず「自由人」の選手をドラフトにかけなければならない。男子で「自由人」を2人以上保有しているクラブはないため、国家チームの主力級選手がすべてドラフト会議に登場してくる。一方、女子は「自由人」を2人以上保有しているクラブが2チームある(張怡寧・郭炎の北京首創、王楠・郭躍の遼寧鞍鋼)。このような場合、クラブはどちらか片方の選手にプロテクトをかけることができ、もう片方の選手をドラフトにかける。各クラブのメンバー構成は、昨シーズンとはがらりと異なってくるだろう。

 また、男子の王皓・馬琳・王励勤・陳杞・馬龍らトップクラスの選手には、140万元(約2068万円)という最低入札価格が設定された。一昨年の摘牌大会で馬琳が501万元(約7500万円)という過去最高額で落札され、昨年は入札価格を抑える動きが見られたが、今回はむしろその逆。札束が飛び交うド派手なドラフトになる可能性もある。各クラブの経済力の差が、如実に戦力差となって現れる一方、クラブ側には他のクラブとの競合をかいくぐりながら、バランスのとれた戦力を確保するビジョンが求められる。

 国家的事業である北京五輪の閉幕後、10月にスタートする「2008中国超級リーグ」。これまでは戦力を平等に分配して選手の強化を図る、いわば部内リーグのような役割を果たしていたが、今回のドラフト会議にはいよいよ商業化への大きな方針転換が感じられる。外国籍選手の加入もフリーになり、名実ともに世界最高峰の国内リーグとなるのか。

Photo上:超級リーグでは優勝請負人と言われる馬琳。男子のドラフトの目玉か
Photo下:女子ではこの李暁霞が最高入札額となりそうだ