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中国リポート

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 5月3日、国家卓球チームは山西省太原市で男女チームの部内対抗戦を開催した。一般に公開され、入場料も発売されたこの試合、100元(約1,500円)~600元(約9,000円)とチケットはかなり高額だったにも関わらず、5,000人を収容する濱河体育館が満員の入りとなった。ちなみにこの濱河体育館、今年1月の女子レスリングW杯で、女王・吉田沙保里選手の連勝が119でストップした会場なのだとか。

 3日午後に女子、そして夜に男子が行われた今回の部内対抗戦。男女とも五輪代表チーム(紅隊)と若手チーム(藍隊)の団体戦となった。五輪代表6人の中では、胡錦濤国家主席とともに6日に来日した王楠だけが出場せず。まず女子の結果は以下のとおり。

[国家紅隊 3-0 国家藍隊]
 ○張怡寧 3-1 丁寧
○李暁霞 3-0 范瑛
○張怡寧/郭躍 3-1 丁寧/饒静文
(※藍隊の「藍」は日本の藍色ではなく「青色」の意)

 若手チームの藍隊に右カット主戦型の范瑛を入れたのは、韓国やカット主戦型の多いヨーロッパを想定してのことか。また、世界ランク5位の郭炎は体調不良のため出場できず。丁寧と饒静文はともに若手の成長株だが、張怡寧・郭躍・王楠 vs. 李暁霞・郭炎・范瑛というベストの対戦から比べると、ややレベルが下がった感は否めない。
 トップ張怡寧は北京首創の後輩である丁寧に3-1で勝利し、2番李暁霞もパワードライブで范瑛を粉砕。ダブルスの張怡寧/郭躍も危なげなく勝利を収めた。張怡寧と郭躍は今年3月のカタールオープンでペアを組んで優勝しており、ペアリングの経験は少なくても、個々のレベルの高さでカバーできているようだ。

 新旧の世界チャンピオン3人を揃え、史上最強の陣容とも思える中国の女子五輪代表チーム。しかし、わずかな弱点もある。ダブルスの柔軟性がないことだ。サウスポー同士の王楠と郭躍はペアリングが悪く、超級リーグやプロツアーでの組み替えの中でも実現した記憶がない。張怡寧・郭躍・王楠の中国女子チームは、張怡寧/王楠のダブルスに郭躍のシングルス2点というオーダーにほぼ固定されてしまうのだ。張怡寧/王楠のダブルスを崩してまで、王楠をシングルス2点起用する理由は考えにくい。
 もちろん、郭躍をシングルス2点起用するオーダーは、それに固定されると同時にベストのオーダーでもある。しかし、それぞれに故障を抱えている3人だけに、誰かひとりが故障や不調に見舞われた場合、思わぬもろさを見せる可能性もある。

Photo上:健在ぶりをアピールした張怡寧
Photo下:久々にその名前が登場した范瑛。チームを応援するためにバルーンを膨らませております…。今年2月の広州大会にて