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中国リポート

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 5月12日午後2時28分(日本時間午後3時28分)、中国・四川省のアパ・チベット族チャン族自治州ブン川県で発生したマグニチュード7.8の大地震は、発生から3日目を迎えて徐々に被害の全貌が明らかになりつつある。マグニチュード7.8というのは、今から32年前に河北省唐山市で発生した有名な唐山地震と同クラスだ。20世紀最大の自然災害である唐山地震では約25万人の犠牲者が出たが、実数はその2倍とも3倍とも言われている。

  地震発生当時、中国卓球チームは遼寧省長春で開催されるITTFプロツアー・フォルクスワーゲンオープン中国大会への出発直前で北京にいたため、地震の被害は受けていない。しかし、男子チームの劉国梁監督の両腕である呉敬平(馬琳・王皓の担当コーチ)と肖戦(陳杞・ハオ帥の担当コーチ)、07年世界選手権代表の邱貽可などは四川省の出身。彼らはすでに家族と連絡が取れたそうだ。

 今年1月末の中国中・南部の雪害にも18万元(約270万円)の義援金を送った中国卓球チーム。今回も迅速にチーム内で義援金を募り、男子チームの劉国梁監督や王励勤・馬琳・王皓がそれぞれ10万元、陳杞が5万元、女子チームの郭躍が7万元、張怡寧と李暁霞が5万元を寄付するなど、100万元(約1500万円)に迫る額の義援金がすでに集まっているという。劉国梁監督は「我々の義援金は微々たるものだが、チーム全員の心中を少しでも表したいと思っている。スポーツ界のスターである国家チームの選手たちが行動することで、社会全体に行動を呼びかけたい。一方(いっぽう)に困難があれば、八方(はっぽう)から支援すれば良い」と述べている。

 今回の大地震を受けて、現在中国各地で行われている聖火リレーも簡素化や規模の縮小が行われ、第1走者がスタートする前には1分間の黙祷が行われている。6月15~18日に四川省で行われる予定だった聖火リレーは予定どおり開催するとのこと。第1走者は、88年ソウル五輪卓球男子複金メダリストの陳龍燦だ。

Photo:劉国梁監督(写真中央)を支える、四川省出身の肖戦・呉敬平の両コーチ。写真左のスキンヘッドの男性が肖戦コーチ、右のメガネの男性が呉敬平コーチ(クリックで少し拡大)