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中国リポート

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 6月1日まで韓国・大田で行われたITTFプロツアー・フォルクスワーゲンオープン韓国大会。
 韓国男子のエース柳承敏は順調にシングルス準々決勝まで勝ち上がり、現世界ランキング1位の王皓(中国)と対戦。言わずとしれた04年アテネ五輪男子シングルス決勝の対戦カードだが、対戦成績では圧倒的に王皓のほうが分が良く、この試合も4-2で王皓が勝利。柳承敏の進撃はベスト8でストップした。

 試合後、柳承敏は会場でひとりの人物を探した。その人物とは中国男子チームの劉国梁監督。柳承敏は劉国梁に対し、四川省のブン川大地震の被災地へ1000万ウォン(約102万円)の義援金を送る意志を伝えた。
 2006年のシーズンまで、中国超級リーグの四川全興に所属していた柳承敏。彼にとって思い出深い土地である四川省で発生した大災害に対し、柳承敏は両親と義援金を送る相談をしていたが、確実に届く方法が分からなかったのだそうだ。そして、義援金は劉国梁監督に紹介された中国赤十字の指定銀行口座へ、無事に振り込まれた。

 この柳承敏の行動に対し、劉国梁監督は「中国人を代表して感謝の念を述べる。中国の卓球ファンはますます彼のファンになり、中国での試合はもう彼にとってホームゲームのようなものだ」と賞賛。四川全興の代天雲総経理も、柳承敏からの義援金の知らせを聞いて「彼はチーム内での練習でも、非常にすばらしいプロ根性を見せてくれた。みんな彼のことがとても好きだった。今回の被災地への義援金に対し、我々は心から感謝を述べたい。そして再び彼が四川全興でプレーする日の来ることを願っている(*出典/成都日報)」とコメントした。卓球関連サイトの掲示板でも、柳承敏を賞賛するファンのコメントが相次いでいる。

Photo:四川全興でエースとして活躍した柳承敏。北京五輪では彼にも多くの声援が寄せられるだろう