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中国リポート

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 6月10~12日、アメリカ・カリフォルニア州ヨーバリンダ市のニクソン図書館で、「ピンポン外交」37周年の記念イベントが行われた。

 中米両国の国交正常化へつながった1971年世界選手権名古屋大会でのピンポン外交の意義を再認識し、故・ニクソン大統領の功績を讃えて行われたこのイベント。もちろん、目前に迫った北京五輪を盛り上げるのも狙いのひとつ。11日に中国の駐ロサンゼルス総領事館で行われたレセプションには、中国選手団のバスに乗り込んでピンポン外交のきっかけを作った長髪のヒッピー選手、グレン・コーワンの母親も姿を見せた(コーワンは2004年に亡くなっている)。

 そして6月12日、エキシビションマッチとしてニクソン図書館で行われたのが「ピンポン外交・リターンマッチ」。中国側の4人は、71年名古屋大会・男子団体優勝メンバーの梁戈亮、93年世界選手権女子複優勝の喬雲萍、93年世界選手権男子複準優勝の張雷、そしてなぜか昨年の世界ジュニアの「台乗り男」宋時超。宋時超は世界ジュニアでの渡米歴が考慮されたのか…。
 一方のアメリカ側は、71年名古屋大会に出場したジョージ・ブレスウェイトと若手選手3名というメンバー。元アメリカ卓球協会会長のブレスウェイトは現在69歳、名古屋大会後の訪中選手団にも加わり、18,000人の大観衆の前で梁戈亮と3回対戦、2回勝利している。もちろん梁が政治的な配慮で勝利を譲ったのだが、今回は両者とも真剣勝負。梁戈亮が勝利を収め、リターンマッチは豪華メンバーで固めた中国側が3-1で勝利した。その他、観客が選手に挑戦するコーナーなども設けられた。

 現在58歳の梁戈亮(リァン・グリァン)は、世界選手権で計6個のタイトルを獲得した名選手。71年の名古屋大会では両面同色ラバーの変化サービスでセンセーショナルに登場し、その後は抜群の身体能力を生かして、アクロバティックな攻撃とカットのオールラウンドプレーを完成させた。
 1980年に現役を引退してからは、1985年に渡独してブンデスリーガで選手、そしてコーチとして活躍。2002年に中国に戻り、現在は北京大学医学部体育学系教授、そして梁戈亮卓球クラブの主催者でもある。97年にドイツで交通事故に遭い、現在でも右腕に後遺症が残っているそうだが、世界ベテラン選手権では無類の強さを見せる「生涯現役」プレーヤーだ。

Photo上:梁戈亮、71年名古屋大会でのプレー
Photo下:04年世界ベテラン横浜大会で日本を再訪した梁戈亮。布袋(ほてい)さんのような福々しさです