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中国リポート

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 6月21日早朝、中国国家チームは北京オリンピック前の最後の集合訓練に向け、男子チームが福建省厦門、女子チームは河北省正定へと飛び立った。36日間に及ぶ長期合宿のスタートだ。

 男子チームが集合訓練を行う厦門(アモイ)市は福建省の南東部で、台湾の対岸にある港湾都市。これまで主に男子チームによって、2003年から計6回の集合訓練が行われ、その後のビッグゲームで中国がことごとく好成績を収めていることから、国家チームの「福地(フゥディ/縁起の良い土地)」と呼ばれている。あれほどの強さを誇る中国国家チームが、縁起の善し悪しを気にしなくても…と思うのだが、実際にはかなり気を使っているようだ。国家チームの訓練基地第1号である湖北省の黄石訓練基地は、建設の最大の目的だったソウル五輪で男子チームが不振に終わったため(シングルスではメダルを獲得できず)、その後積極的に利用されることはなかったと言われている。

 監督やコーチ陣、チームドクターやマッサーも含め、総勢40名を超える国家男子1軍チームのメンバー。22日には中国香港男子チームも合流し、現在1週間程度の合同合宿が行われている。中国香港には李静/高礼澤という黄金ペアがいるため、中国にとってはダブルスの「陪練(トレーナー)」という意味合いもある。
 さらに中国国内での報道によると、88年ソウル五輪女子単金メダリストの陳静もチームに帯同させるとのこと。陳静は2005年に華南師範大学でスポーツ心理学の博士号を取得しており、これまでにも国家チームのメンタルケアに当たってきた実績がある。悲願の優勝を狙う王励勤と馬琳、アテネ五輪の雪辱を期す王皓、そして至上命題である団体戦での優勝。その計り知れないほどのプレッシャーを軽減させるために、五輪女王の経験は何よりのものだろう。

 厦門での集合訓練は7月26日に終了する予定。宿舎となる厦門体育大酒店(厦門スポーツホテル)はこの2チーム以外に宿泊客を受け入れず、完全貸し切り体勢で集合訓練に臨む。五輪まで50日を切っているだけに、ケガや故障は禁物。コーチ陣にとっては細心の注意を払う集合訓練になりそうだ。

Photo上下:国家男子チームの竜虎、王励勤と馬琳。その調整ぶりはいかに