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中国リポート

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 厦門に飛び立った男子チームと別れ、今年もバスで河北省正定市の国家卓球訓練基地へと向かった国家女子チーム、総勢32名。男子は厦門、女子は正定というのがここ5年ほどの集合訓練のお決まりコースだ。

 日本のジュニアナショナルチームや、高校の強豪チームの合宿地としてもよく利用される正定訓練基地。91年の竣工だが、一昨年から全面的な施設の建設や改修が行われている。選手の宿舎として利用されるホテルも新築され、国家旅遊(観光)局指定で最高クラスの五つ星に相当するというから驚きだ。最も若手選手は全員が双人間(ツインルーム)で、単人間(シングルルーム)を使えるのは王楠と張怡寧だけ。現世界チャンプの郭躍も、まだ劉詩ウェンとのツインルームなのだとか。若手選手にとっては、シングルルームの主(ぬし)になることが、ひとつのモチベーションにもなる。

 35日間の集合訓練は11~12日をひとつのクールとして3つに分けられ、練習やトレーニングのプログラムが組まれる。集合訓練の主役はもちろん五輪代表の張怡寧・王楠・郭躍だ。「主要な対戦相手はシンガポール、日本、中国香港、そして韓国」と語る施之皓監督。異質速攻のリ・ジャウェイや王越古、唐イェ序、異質攻守の福原愛と福岡春菜、カット主戦型の金キョン娥と朴美英などを想定して、「陪練(トレーナー)」として男子2軍チームからカットマンや異質速攻型の選手を帯同させ、同じ女子1軍チームの陳晴(ペン粒高異質攻守型)、饒静文(シェーク異質速攻型)、范瑛(シェークカット主戦型)も陪練を務める。

 なにしろ92年バルセロナ五輪以来、五輪では一度も金メダルを逃していない中国女子。卓球競技で中国選手以外に五輪のタイトルを掴んだのは、88年ソウル五輪女子複優勝の梁英子/玄静和(韓国)しかいないのだ。正定での集合訓練にも1軍チームコーチの喬紅(92・96年五輪複優勝)、孔令輝(96年五輪複・00年五輪単優勝)、2軍チームコーチの閻森(00年五輪複優勝)、そして五輪代表の王楠(00年五輪単複・04年五輪複優勝)、張怡寧(04年五輪単複優勝)と5人の五輪金メダリストが含まれている。

 国家女子チームの集合訓練は7月26日に終了、その日のうちに北京へと戻る。男女チームとも集合訓練の終了後、エキシビションマッチの開催が予定されている。8月1~4日に行われる北京大学体育館での調整訓練が終われば、歴史的な五輪の開幕はもう目の前だ。

Photo上:五つ星のシングルルームに陣取る王楠、五輪で単複を制して五つ目の金メダル獲得なるか
Photo下:故障も多い現五輪女王・張怡寧。慎重な調整メニューが組まれるだろう