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中国リポート

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 7月19日、台湾・高雄市鼓山区に「智淵卓球運動館」がオープンしたことを、台湾の『聯合報』が伝えた。
 チャイニーズタイペイのエース・荘智淵が私費を投じて建設したこの卓球センターは、敷地は約1000平方メートル、建設費は2億8千万円。荘智淵の出身地で、人口150万人を擁する台湾第二の都市、高雄市にある。オープニングセレモニーには高雄市の女性市長である陳菊氏からも、「この卓球センターが荘智淵選手により良い成績をもたらし、そしてより多くの『小・荘智淵』を輩出していくことになるでしょう」と祝辞が送られた。

 「この卓球センターを建てたのは、実は後進の育成のためだけではなく、僕自身が練習をしたい時に、いつでも練習できる場所が欲しかったんだ。それは僕の小さい頃からの夢だった。打つ場所を探さないで済む、というのがね(荘智淵)」。卓球人ならば思わずうなずきたくなる荘智淵のコメントだが、彼ほどのトッププレーヤーでも、台湾には満足に練習できる環境がない。そして数年前から荘智淵は両親とともに、自らの夢を実現させるべく準備を進めてきたのだという。

 93年に単身で中国国家2軍チームに乗り込み、厳しい練習を積みながら世界のトップクラスに躍り出た荘智淵。しかし、02年ITTFプロツアーグランドファイナル優勝をピークに、コンスタントに成績を残しながらもビッグタイトルから遠ざかっている。前陣速攻でのピッチの早さは間違いなく世界一。ツボにはまった時の両ハンド強打は、中国選手でさえ反応できないほどだ。
 このまま終わってしまうには、あまりにも惜しい選手のひとり。個人戦でも団体戦でも、必ずベンチに入る李貴美ママの姿に「親離れが必要」との声も多いが…。

Photo上:タイペイトルネード、荘智淵。彼の練習相手が務まる選手が果たして身近にいるのだろうか
Photo下:国際大会ではひとつの名物になっている荘智淵ママ。猛母です…