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中国リポート

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 中国が五輪に初めて参加した1984年ロサンゼルス五輪以来、最も多くの金メダルを獲得している競技は何か、ご存知だろうか。正解は「跳水(水泳の飛び込み競技)」。ロサンゼルス五輪で周継紅が女子10m高飛び込みで優勝して以来、04年アテネ五輪までに20個の金メダルを獲得している。卓球と重量挙げが16個でそれに続き、以下射撃が14個、体操が13個となっている。

 金メダルの獲得数では遅れをとっている卓球だが、84年ロサンゼルス五輪では卓球は正式種目となっておらず、また00年シドニー五輪から飛び込みにシンクロナイズド4種目が加わり、男女全8種目になったことを考えると、飛び込みと卓球の競技力はほぼ同等。そして非常に高いレベルにあり、まさに中国の「お家芸」と言えるだろう。
 北京五輪でも、中国のスーパーアイドル・李宇春(クリス・リー)や、香港のトップスターである劉徳華(アンディ・ラウ)が「五輪で見たい競技は飛び込みと卓球」と発言するなど、この2種目は人気競技の双璧。卓球チームと飛び込みチームはともに中国国内で「夢之隊(ドリームチーム)」と呼ばれている。

 そして卓球と飛び込みには、ともに長く女王として君臨するふたりの選手がいる。卓球は言わずとしれた王楠、そして飛び込みは04年アテネ五輪で2枚の金メダルを獲得した郭晶晶(グオ・ジンジン)だ。年齢こそ王楠のほうが3つ上だが、郭晶晶は96年アトランタ五輪から五輪に出場しており、北京五輪ではそれぞれの競技の史上最高齢記録を更新して中国代表となる。さらに両選手とも五輪や世界選手権、ワールドカップなどで獲得したタイトル数は、くしくも同じ23個。互いに2種目ずつ出場する北京五輪で、どちらがタイトル数で上回るか注目が集まっている。

 勝ち気な性格は負けず劣らずという感じのふたりの女王さま。しかし、胡錦濤国家主席の日本訪問に随行するなど、模範的なイメージの王楠に対し、美貌で知られる郭晶晶の言行はかなり奔放。ライバル選手のことを「デブ」と発言したとしてマスコミから非難され、日本でも有名になったが、記者会見で記者の質問を無視したり、五輪直前に「妊娠した」というデマが流れるなど、何かとお騒がせな選手だ。
 ちなみに郭晶晶は、先日国家チームを引退した牛剣鋒と同じ1981年生まれで、同じ河北省保定市の出身。04年アテネ五輪の後には、牛剣鋒とともに省政府から表彰され、60万元(約900万円)の報奨金を受けている。

 さて、北京五輪の真の女王になるのは、一体どちらか…?

Photo:北京の街を飾った「李寧」の巨大な横断幕。王励勤とともに、右手で李寧のロゴを形づくる郭晶晶(写真一番右)
Photo:卓球界の女王・王楠も負けられません!