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中国リポート

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 今日8月4日まで、五輪会場となる北京大学体育館で調整訓練を行っている国家男女卓球チーム。少し前のニュースになるが、7月28・29日に江蘇省・無錫市の無錫体育センターで最後の公開部内対抗戦を行った。まず28日の男子対抗戦の結果からお伝えしよう。
 今回の試合方式は少し変わっている。王皓・馬琳・王励勤の五輪代表チームの他に、馬龍・陳杞・王建軍の「仮想韓国チーム」、ハオ帥・張継科・雷振華の「仮想ドイツチーム」、そして邱貽可・許シン・張超の「仮想その他の強豪チーム」の計4チームがまず結成された。仮想韓国チームは柳承敏=王建軍、馬龍=呉尚垠、陳杞=尹在栄と、戦型もピタリと一致している。仮想ドイツチームのハオ帥はボルの仮想選手だ。トーナメント戦で行われた試合結果は以下のとおり。

●第1戦
[五輪代表チーム 3-0 仮想ドイツチーム]
○王皓 7、-4、8、9 ハオ帥
○馬琳 11、-9、10、8 張継科
○王皓/王励勤 10、8、8 ハオ帥/雷振華
[仮想韓国チーム 3-0 仮想その他の強豪チーム]
○馬龍 9、2、5 張超
○陳杞 7、-9、9、10 邱貽可
○陳杞/王建軍 8、-5、-7、9、9 許シン/邱貽可

●第2戦
[五輪代表チーム 3-2 仮想韓国チーム]
○王励勤 -4、8、10、9 王建軍
○馬琳 7、-8、-8、9、12 陳杞
 馬琳/王皓 8、-9、-8、10 馬龍/陳杞○
 王励勤 10、-4、8、-5、-7 馬龍○
○王皓 5、6、4 王建軍

 仮想ドイツチームは難なく退けたものの、仮想韓国チームには苦戦を強いられた五輪代表チーム。ラストは柳承敏に対し圧倒的な勝率を誇る王皓が、王建軍に対しても完璧な勝ちっぷりを見せたが、呉尚垠の故障や協会の内紛でチーム状態の悪い韓国チームより、仮想韓国チームのほうがどう考えてみても強い。北京五輪を前に気の早い話だが、仮想韓国チームの馬龍と陳杞のふたりは、2012年ロンドン五輪の有力な代表候補。第2戦はいわば五輪代表チームと、未来の五輪代表チームとの攻防でもあった。

 国家チームの首脳陣にとっては、母国で開催される特別な五輪でなければ、ロンドン五輪を視野に入れ、馬龍を五輪代表に加えるという選択肢もあったかもしれない。…これは私見だが、中国選手は以前に比べると晩成型になっているようだ。20歳そこそこの選手が初出場のビッグゲームで好成績を挙げる例は少なく、若手のうちは技術力の高さにメンタルが追いついていない印象を受ける。それだけに首脳陣も、大舞台での経験を何より重要視し、平均年齢27.33歳というベテランメンバーを揃えてきたのだろう。

Photo上:王皓、柳承敏に強ければ仮想選手に強いのも当然?
Photo下:中国男子で今、最も勢いのある馬龍