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中国リポート

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 8月13日、ついに北京五輪・卓球競技がスタートした。中国は男子チームがギリシャに3-0、女子チームがクロアチアに3-0。失ったゲームはあるものの、まずは順調なスタートを切った。
 開会式後、北京大学体育館での練習以外は、表立った動きのない国家チーム。8月11日には、バドミントンの試合を観戦するために北京工業大学体育館に姿を見せた。アテネ五輪ダブルス金メダリストの楊維/張潔ブンが日本の末綱/前田ペアに敗れた波乱の一戦も観戦しており、改めて気を引き締めたに違いない。

 8月11日、シングルスのドロー抽選会が行われ、男子シングルス第1シードの王皓は、順当なら4回戦(ベスト8決定戦)で韓陽(日本)、そして準々決勝で柳承敏(韓国)と対戦する組み合わせとなった。アテネ五輪男子シングルス決勝の再現、多くのマスコミが注目する「王柳之戦」。実現すれば多くのマスコミの注目を集めそうだが、国家チームの黄ピャオマネージャーは「アテネ五輪以降、ふたりはもう十何回も対戦しているし、私たちも柳承敏だけを警戒すれば良いわけではない。すべての対戦相手に注意を払わねばならない。アテネ五輪の時だって、柳承敏の優勝を予想した人がいただろうか?」とコメントしている。

 一方の女子は、シングルスの16シードすべてをアジア系選手が占めた。「純正」ヨーロッパ選手が16シードにひとりも入れなかったのは五輪史上初。04年アテネ五輪ではボロス(クロアチア)、シュテフ(ルーマニア)、Vi.パブロビッチ(ベラルーシ)の3人がシードに入っていた。
 五輪で2大会ぶりの優勝を目指す王楠は第3シード。予想される対戦相手は4回戦で朴美英(韓国)、準々決勝で帖雅娜(中国香港)。王楠はカット主戦型に強く、前陣攻守型の帖雅娜にも圧倒的に分が良い。初戦でつまづかなければ、準決勝まで勝ち上がる可能性は高そうだ。もし団体とシングルスで優勝し、5個目の金メダルを獲得すれば、トウ亜萍の4個を抜いて中国卓球選手の最多記録になる。

 ちなみに今大会の中国五輪代表選手団639人には、卓球の王楠以外にも王楠がふたりいる。「楠」というのはどちらかというと女性の名前に多く使われるイメージがあるが、残るふたりはいずれも男性。ひとりは男子野球、もうひとりは男子射撃の選手。男子野球の王楠は身長190cmを超える長身の左腕投手で、女王・王楠とは比較にならないものの、結構有名人だ。

Photo:三人の王楠の中で一番有名な王楠