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中国リポート

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 間違いなく世界最高レベルの国内リーグである中国卓球クラブ超級リーグ。特に女子のレベルは非常に高く、10チームのうち5チームは世界団体選手権で優勝する戦力があり、残り5チームはベスト4に入る戦力がある。また超級リーグで五分の成績を残した選手は世界ランキングのトップ20に入る実力があり、20勝以上を挙げた選手はトップ5に入る実力があるだろう。
 昨シーズンは張怡寧と郭炎のいる北京首創が2連覇。しかし、今年は郭炎が北京首創を離れ、また遼寧鞍鋼の王楠が引退するなど、戦力図にかなりの変化があった。今年のチーム構成を見ていこう。


■魯能・路安集団(ルゥノン・ルゥアンジィトゥアン/山東省)
監督:唐誠(タン・チョン)
選手:李暁霞(リィ・シャオシア/WR3/07プロツアーファイナル優勝)
   彭陸洋(パン・ルゥヤン/WR39/07世界選手権ベスト8)
   李楠(リ・ナン/99世界選手権3位)
   ★馮天薇(フォン・ティエンウェイ/WR9/08北京五輪ベスト8)

 トップ選手を数多く輩出している山東魯能を、山西省の巨大石炭会社である路安集団がバックアップ。路安の路には実際はさんずいが付くが、中国リポートでは「路」で代用する。
 スーパーエースの李暁霞、長身の右シェークドライブ型・彭陸洋はともに山東魯能卓球クラブの出身。左ペンドライブ型で元世界3位の李楠は昨シーズン9勝を挙げ、若手にはまだまだ強い。加えて、今シーズンは伸び盛りの馮天薇がチームに加入。05年全中国運動会複優勝の李暁霞/彭陸洋を単複で起用し、馮天薇をシングルス2点起用するオーダーも組めるようになった。戦力的にも穴がなく、優勝候補の筆頭はこのチームだ。

■広東珠江怡景湾(グァントン ジュジィアンイージンワン/広東省)
監督:楊華杰(ヤン・ホアジエ)
選手:劉詩ウェン(リウ・シウェン/WR24/07世界選手権複ベスト8)
   曹幸ニィ(女+尼)(ツァオ・シンニィ/05全中国運動会ベスト16)
   麦楽楽(マイ・ラーラー/05全中国運動会ベスト8)
   周芳芳(ジョウ・ファンファン/03ベトナムオープン混合複3位)
   蔡賽(ツァイ・サイ)
   周沫(ジョウ・モォ)

 昨シーズン23勝8敗、張怡寧、郭躍、李暁霞らを連破した小さな大エース・劉詩ウェンがチームを引っ張る。2番手の右ペンドライブ型・曹幸ニィは30歳の大ベテランだが、昨シーズンは11勝4敗と文句のない成績。3番手の麦楽楽、4番手の周芳芳も侮れない実力の持ち主で、チームとしての総合力は高い。毎シーズン安定感のある戦いぶりを見せており、若いエースをチーム全体でもり立てていけば、思わぬダークホースになる可能性も。

■北京時博国際(ベイジン シィポォグオジィ/北京市)
監督:周樹森(ジョウ・シュセン)
コーチ:徐志崇(シュ・ジチョン)
選手:張怡寧(チャン・イニン/WR1/08北京五輪金メダリスト)
   丁寧(ディン・ニン/WR33/08パナソニック中国オープン3位)
   彭雪(パン・シュエ/05世界ジュニア準優勝)
   劉凱倫(リウ・カイルン/05世界ジュニア団体優勝メンバー)

 06・07年シーズンで2連覇を達成したディフェンディング・チャンピオンチーム。スポンサーの北京時博体育賽事有限公司は、スポーツ大会の運営や施設管理などを行っている。
 今シーズンは2番手だった郭炎がチームを離れ、戦力は大幅にダウン。不動のエースである張怡寧も、五輪後は故障のため大会を相次いでキャンセルしており、状態はあまり良くないようだ。3連覇は非常に厳しい状況だが、勝負度胸の良い2番手の丁寧が一気に伸びれば、チャンスはゼロではない。また逆に、張怡寧が故障で欠場する試合が多くなれば、一気に7、8位くらいまで落ちてしまう可能性もある。

Photo上:昨シーズン16勝3敗、勝率では超級リーグ1位だった李暁霞
Photo中:国際大会での起用はまだ少ない劉詩ウェン、ここからが正念場
Photo下:郭炎がチームを離れ、張怡寧には苦しいシーズンになりそうだ