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中国リポート

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 2008年世界団体選手権広州大会、北京五輪でシンガポール女子チームを銀メダルに導いた名将・劉国棟(リウ・グオトン)監督が、任期となる今年いっぱいで監督の座を退く見通しとなった。シンガポールの中華系メディアなどが伝えた。

 劉国棟監督は現中国男子チームの劉国梁監督の実兄。2006年にシンガポールと今年12月31日までの契約(総監督および女子監督)を結び、現在シンガポール卓球協会と再契約に向けた話し合いが進んでいるが、金銭面と監督に与えられる権限について、両者の折り合いがついていないようだ。「私は自分が尊重されていないのを感じ、完全に話し合う余地はないと思った。金額が問題なのではない、私のことを認めてくれているかどうかが大事」(劉国棟監督)。

 『体壇周報』によると、北京五輪の男子シングルスで、男子チームのエースであるガオ・ニンの試合にベンチコーチが入らず、ガオ・ニンは3回戦で敗れた。この件に関して、シンガポール卓球総会の李美花会長が「調査が必要」と発言、「劉国棟総監督と李斌漢マネージャーが引責辞任か」というニュースも流れ、このことが劉国棟監督の不信感を深めた可能性もある。
 劉国棟監督には北京五輪終了後、ヨーロッパ、アジア、南アメリカなどから監督就任のオファーが相次いでおり、相当高額な年棒も提示されているようだ。「シンガポールとの新しい契約では、監督がチームを管理する権限が大幅に縮小されていた。これが私が契約延長を望まない主な原因だ。もし私に十分に力を発揮させてくれるチームがあるならば、どんなチームであろうと、ロンドン五輪でメダルを獲らせる自信がある」(劉国棟監督)。

 留任の可能性はゼロではないとしながらも、劉国棟監督がシンガポールチームを去る公算が大きくなった。北京五輪のシンデレラガール・馮天薇などは劉国棟監督が鍛えた選手で、彼女自身も「劉監督がいなければ今の私はなかった」と発言しているが、監督が去ったあとはどのような判断を下すのか。

Photo:猛特訓で馮天薇(写真右)を鍛え上げた劉国棟監督(同左)。ふたりの未来は…?