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中国リポート

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 国家チーム・コーチ選考会への参加申請は、今日11月20日が最終期限。まだ顔ぶれは確定していない。男子1軍監督は劉国梁の留任の可能性が高く、女子1軍監督は施之皓に代わり、孔令輝の監督就任が有力視されている。その他のメンバーは、世界団体戦広州大会、北京五輪での中国チームの勝ちっぷりから言っても、それほど大きな入れ替わりはなさそうだ。劉国正の正規コーチへの昇格、また孔令輝が女子チーム監督に就任した場合の、コーチの補充などはあるかもしれない。
 コーチ選考会へ参加するには、それぞれ多くの条件がある。たとえば国家1軍チームのヘッドコーチ選考会の場合、主な参加条件は以下のとおりだ。

(1)基本条件
1. 身体が健康であること
2. 卓球のコーチングに対する情熱があること
3. 良好な職業道徳の持ち主であること
4. 提出された目標を受け入れられること
(2)必要条件
1. 大学卒業以上の学歴があること
2. 高級コーチ以上のキャリアがあること
3. 年齢は原則的に50歳以下(特例は認める)
4. 外国語による交流能力があること
5. 国家1軍チーム、あるいは2軍チームで2年以上のコーチ歴があること
6. 国家チームの選手として、五輪・世界卓球選手権・ワールドカップのいずれかに出場した経験があること
7. 国家チームのコーチとして、担当した選手が五輪・世界卓球選手権・ワールドカップで3回以上優勝していること

 基本条件は本当に「基本」という感じだが、必要条件はなかなか厳しいものだ。孔令輝に大学卒業以上の学歴があるのか?と思ったら、彼は1997年4月にハルビン工業大学に入学、世界経済を専攻し、学士を取得しているそうだ。ほとんど大学には通っていないだろうが…。また、必要条件.7の「担当した選手が五輪・世界卓球選手権・ワールドカップで3回以上優勝していること」という条件は、郭躍が07年世界ザグレブ大会、08年世界広州大会、08年北京五輪団体で3つの世界タイトルを獲得しており、ギリギリで満たしている。
 一部には、まだコーチ歴2年の孔令輝の指導能力を疑問視する声もある。10月27日付の斉魯晩報には「コーチをするというのはただ経験や技術を伝えれば良いというものではない。彼は開放的で外交的な劉国梁に比べ、やや内向的な性格だが、チームを統帥する上で、人と意志を疎通させる能力は必要不可欠。孔令輝はこれからも絶えず自らを磨き、改善していくべきだ」と厳しい記事が掲載されている。

 33歳になったばかりの孔令輝に、32歳の劉国梁。同い年の元スーパースター、中国では現役時代に「双子星」という愛称もあったふたりが、国家チームでタッグを組むことになるのか。両者ともクレバーな印象はあるが、コーチとしての経験は浅く、海外でのコーチ経験もない。経験豊かなベテランコーチで脇を固め、監督にはイメージ戦略に有利な人選をする…というのは考え過ぎだろうか。

Photo上:選手たちの兄貴分でもある劉国梁
Photo下:広州大会決勝で敗れた郭躍と孔令輝の師弟コンビ