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中国リポート

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 大変遅ればせながら、明けましておめでとうございます! スタートから3年目を迎えた中国リポート、今年も「かゆい所に手が届く」リポートを目指して頑張ります。全日本選手権のある1月は更新頻度が少々落ちるかと思いますが…、何卒ご容赦下さい。

 2009年の中国リポート1発目は、シンガポール卓球チーム総監督・兼女子監督を退任した劉国棟のニュースから。なんと劉国棟はインドネシア卓球チーム総監督に就任することが明らかになった。シンガポールとインドネシアはマラッカ海峡を挟んだ隣国同士。独立後初の五輪でのメダルをもたらした立て役者が、こともあろうにライバルチームの総監督となり、打倒シンガポールを狙ってくるのだから、シンガポール国民の胸中は複雑だろう。
 インドネシア卓球チームは、昨年3月の世界団体選手権で男子47位、女子37位。劉国棟曰く「オリンピックや世界選手権での成績どうこうと言うのは、今の時点では現実的ではない。インドネシア卓球チームは男女ともまだまだレベルは低い。成績に関してはしばらく問わない(出典:成都商報)」。四川省成都市での強化合宿でレベルアップを図ると語る劉国棟、さすがの名伯楽もすぐに結果は出せないだろうが、今後インドネシアが長足の進歩を遂げるのは間違いないだろう。2年に1度開催される東南アジア競技大会での優勝が、当面の目標になりそうだ。

 また、シンガポール卓球協会は男子チームの監督として、新たに四川省女子卓球チームの監督である陳平西と2年契約を結んだ。今年47歳の陳平西は、80年代に国家チームのメンバーとして蔡振華、江加良らの「陪練(トレーナー)」を務めた経歴の持ち主。88年に国家チームを引退してフランスに渡り、コーチ兼プレーヤーとなってフランス国籍を取得している。

 それにしてもシンガポールは得がたい人材を失った。選手の管理権を巡ってシンガポール卓球協会と対立した劉国棟だが、インドネシア卓球チームの総監督という選択に、遺恨めいたものを感じるのは考え過ぎか…。シンガポール女子チーム監督の後任人事はまだ未定だが、劉国棟に絶対の信頼を寄せていた馮天薇ら若手選手にとっては大打撃だ。世界の大舞台で果敢に中国に挑み、鮮烈な印象を残したシンガポール女子チーム。

Photo:昨年11月に北京で結婚式を挙げた劉国棟。実弟の劉国梁に加え、介添え人として劉国正も出席。中国でも間違える人がいますが、劉国正とは血縁関係はありません