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中国リポート

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 1月12日の『北京晩報』娯楽面で、荘則棟の近況が紹介された。今年で69歳になる荘則棟は昨年ガンで入院して以来、その病状について報道やネットで様々な情報が飛び交い、危篤説も流れていた。実際にかなり危険な状態だったようだが、4回の化学治療と2回の手術によって、日常生活を送ることができるまでに回復しているという。敦子夫人とのツーショットの写真も掲載されており、現在も治療は続けているとはいえ、かなり元気そうな様子だ。
 同日夜には、人民大会堂で開かれた米中国交樹立30周年記念パーティにも出席。自身のブログには、「ピンポン外交」当時のニクソン政権で国務長官を務めたキッシンジャーとの記念写真もアップされている。最近では京劇(中国の伝統演劇のひとつ)鑑賞が一番の楽しみだとか。
 
 歴代の中国卓球界のスーパースターの中でも、別格の存在感を漂わせる荘則棟。日本でも小さなオープン大会などでは、今でも「荘則棟に憧れていたんだな」とひと目でわかるベテランプレーヤーを、しばしば目にすることがある。荘則棟という人物については、卓球王国HPのアーカイブスのコーナーに「伝説の荘則棟インタビュー1~5」がアップされているので、興味のある方は読んでみて頂きたい。その言葉の一つひとつから、人間としての凄みと器の大きさが伝わってくる。
 卓球王国最新号(09年3月号)の伊藤条太さんのコラム『奇天烈逆も~ション』でも紹介された、インタビューでの荘則棟の名言を紹介しよう。文化大革命で失脚し、当時レベルの低かった山西省チームにアドバイザーとして赴任した際、選手たちに言い放ったひと言だ。

「生きている時にずっと寝ていたら、あなたがたは死んだ時に何をするんですか?(卓球王国03年10月号P.29)」

 この続きがまたもの凄く、「みなさんが天国に行きたいと思うならば、まず地獄に堕ちることです。地獄に一度堕ちなければ天国には行けないのですよ」とダメを押す。とても常人に言える言葉ではない。
 ちなみに卓球王国編集部でも、インタビューが掲載されてしばらくの間、締め切り前に居眠りしそうな人間がいると「生きている時にずっと寝ていたら…」のフレーズが流行した、とか…。

Photo上:2003年にインタビューを受けた際の荘則棟(卓球王国03年9月号)
Photo下:荻村伊智朗との貴重なツーショット(卓球王国03年7月号)