スマホ版に
戻る

中国リポート

トップニュース中国リポート
 3月4~6日、韓国・ソウルの泰陵選手村(国家トレーニングセンター)で、世界選手権個人戦横浜大会の代表選考会が開催された。
 シングルスには男女6名が出場できる韓国。09年1月の世界ランキングで「世界ランキングのトップ10以内」という選考基準を満たしていた柳承敏と金キョン娥が、すでにシングルスの出場権を獲得。残る5つの出場権のうち、4名までがこの国内選考会で決定し、最後の1名は協会の推薦によって決定する。男女11名の総当たりで行われた選考リーグの結果は以下のとおり。

★男子選考リーグ
1.  金廷勲(9勝1敗)※出場権獲得
2.  呉尚垠(8勝2敗)※出場権獲得
3.  李鎮権(8勝2敗)※出場権獲得
4.  朱世赫(8勝2敗)※出場権獲得
5.  徐賢徳(6勝4敗)
6.  鄭栄植(5勝5敗)
7.  李廷佑(4勝6敗)
8.  趙志燻(3勝7敗)
9.  鄭尚亘(3勝7敗)
10.  趙彦来(1勝9敗)
11.  尹在栄(3敗7棄権)

 なんと世界ランキング50位の伏兵、金延勲が9勝1敗の単独トップでシングルスの出場権を獲得した。見るからにゴツい右シェークドライブ型で、昨年の世界団体戦広州大会の韓国代表。広州大会では予選リーグで0勝2敗という成績に終わったが、その後のプロツアーで唐鵬(香港)、オフチャロフ(ドイツ)らを破っている。この選考会でも朱世赫に3-4で敗れた一敗のみと見事な成績で、横浜大会でも思わぬダークホースになる可能性もある。ノングルー時代の申し子か。
 世界ランキング9位の朱世赫、12位の呉尚垠は無事出場権を獲得したが、広州大会でレギュラー起用された李廷佑は7位に沈み、北京五輪代表の尹在栄は途中から選考会を棄権。最後に残されたシングルスの協会推薦枠「1」は、選考会5位で高校生のホープ・徐賢徳と、実績十分の李廷佑の間で争われることになるだろう。

★女子選考リーグ
1.  李恩姫(8勝2敗)※出場権獲得
2.  朴美英(8勝2敗)※出場権獲得
3.  石賀ジュン(7勝3敗)※出場権獲得
4.  唐イェ序(6勝4敗)※出場権獲得
5.  文玄晶(6勝4敗)
6.  朴永淑(5勝5敗)
7.  徐孝元(5勝5敗)
8.  金貞弦(5勝5敗)
9.  李玄(3勝7敗)
10.  梁賀恩(2勝8敗)
11.  崔文英(6敗4棄権)
※文玄晶と李玄の「玄」は正しくは火+玄

 トップ通過は07年ザグレブ大会ベスト16の李恩姫。以下、朴美英と帰化選手の石賀ジュンが続き、中耳炎の手術で1カ月近く練習を休んでいた唐イェ序がからくも4位に滑り込んだ。ここ一番での強さはさすがだ。広州大会代表で、予選リーグの日本戦で福原愛(ANA)と激戦を繰り広げた文玄晶は5位に終わったが、6位以下の選手との実績の差からいって、協会推薦枠の獲得はかなり濃厚だ。
 女子は選考会の結果としては、ほぼ順当なものと言えるだろう。もし文玄晶が6人目のシングルス代表になれば、カット主戦型の金キョン娥と朴美英、シェーク異質速攻型の唐イェ序と石賀ジュン、ペン表速攻の李恩姫にペンドライブ型の文玄晶と、「世界で最もバラエティに富んだ代表チーム」となる。

 ちなみに、代表選考会が行われた泰陵(テルン)選手村で初めての女性村長として、05年3月から現職にあるのが、1970年代に韓国女子の中心選手として活躍した李エリサ。73年サラエボ大会で韓国女子が団体初優勝を飾った時の団体メンバーだ。長い景気の低迷に苦しむ韓国、李村長も予算の不足に悩まされているという報道をしばしば目にするが、北京五輪で13個の金メダルを獲得した韓国スポーツ界の「虎の穴」を支えるべく、韓国卓球界の女傑は日々奮闘している。

Photo上:代表選考会1位通過の金延勲。横浜大会でどのようなプレーを見せてくれるか(写真提供:ITTF)
Photo下:本格的なペン表速攻型として、貴重な存在である李恩姫