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中国リポート

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 今回行われた「直通横浜」第2ステージでは、エキサイトしすぎる選手たちの試合態度が問題として取り上げられている。テレビ中継も行われる「直通横浜」は、特に若手選手にとって代表入りのチャンスが懸かった重要な試合。それだけに感情的になるケースも多いようで、フェンスや卓球台を蹴飛ばす、過剰なガッツポーズや発言を繰り返す、審判の判定に従おうとしない、など問題を起こす選手が続出している。

 まず、3月3日(選考会第2日目)に行われた徐輝とハオ帥の試合。10-10とジュースになったところで、審判がアウトと判定したボールに対し、徐輝がエッジだと猛抗議。結局このポイントはエッジだと認められたが、徐輝はその後凡ミスを連発してストレート負け。女子チームでは、郭炎や木子が苛立ちからフェンスを蹴飛ばす場面が見られ、施之皓監督が審判長に対し、悪質な行為にはイエローカードではなく、即刻レッドカードを提示するよう求めている。

 そして、今回のような問題では必ず顔を出すのが、陳杞と邱貽可のふたり。第2ステージで7勝8敗と伸び悩んだ邱貽可は、試合中に「畜生!」「全然入らねえ!」と自分への苛立ちが爆発。日本でも、オープン大会などに行くとひとりはいるタイプだが…。そして陳杞に至っては、その邱貽可との対戦でゲームをリードされ、卓球台に怒りのキック一撃。「陳杞が台を蹴飛ばした後、邱貽可は驚いて周囲を見渡し、ぼくがいないかどうか探していたね。『蹴飛ばしたのは彼ですよ、僕じゃないですよ』きっとそう言いたかったんだろう(笑)」(劉国梁監督/出典:杭州日報)。
 陳杞には06年アジアカップ決勝で敗れたあと、ラケットをベンチに投げつけ、椅子を蹴飛ばすなどして重い処罰を受けた前科がある。この時には劉国梁監督や担当コーチの肖戦まで連帯責任で罰金を払っている。劉国梁監督ももちろんそのことは忘れていないようで、「これがもし国際試合だったら、陳杞は国家のイメージを背負うことになる。まさか過去の失敗を忘れたなんてことはないだろう!」とチクリ。

 ただ強いだけでは一流選手とは言えないし、周囲の尊敬を集めることもできない。07年世界ジュニア選手権で、宋時超が勝利後に台の上に乗った一件も忘れるわけにはいかないだろう。これから中国チームの主力になるのは、「一人っ子政策」で大事に育てられ、甘やかされた選手たち。今回のような問題は、今後も国家チームの首脳陣を悩ませることになりそうだ。

Photo上:07年女子ワールドカップでは、ファッションモデルを務めた邱貽可クン。この時はご機嫌ですが…
Photo下:陳杞クンはもう一度反省が必要です