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中国リポート

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★★★  07中国超級リーグ・男子第10節 ★★★
[寧波北侖海天 3-2 天山万杰隆]
[四川全興 3-2 八一工商銀行]
[遼寧錦州万通 3-1 魯能中超電纜]
[海寧皮革城鵬翔 3-1 江蘇江南電纜]
[浙商銀行 3-2 江蘇華都琥珀]

◎問題児・邱貽可が奮闘 注目の一戦!
[四川全興 3-2 八一工商銀行]
○邱貽可 -8、5、4、3 ジャク(曜の右側)一鳴
 馬龍 -9、-8、-7 王皓○
○邱貽可/王建軍 8、10、-4、7 ジャク一鳴/徐克
 王建軍 -9、-6、-3 王皓○
○馬龍 9、3、10 徐克

 いよいよ後半戦がスタートした超級リーグ第10節。 6勝3敗で2位につけた四川全興は、7勝2敗と単独首位で前半戦を折り返した八一工商銀行をホームで迎え撃った。
 通算成績14勝1敗、7試合でストレート勝ちと圧倒的な強さを見せる、八一工商銀行のスーパーエース王皓に対し、四川全興としては当然ダブルスでの勝利が絶対条件になる。2番でここまで14勝2敗とリーグ2位の勝率を誇る馬龍が王皓に挑んだがストレート負け。4番でも王建軍が完敗を喫した。王皓はこれで通算16勝1敗とバツグンの成績だ。
 もっとも、四川全興としてはこの2失点は計算済み。ここで確実に単複で2点を獲り、チームを勝利へ導いたのが右シェークドライブ型の邱貽可(チュウ・イーカ)。フットワークを生かした連続ドライブ攻撃でトップでジャク一鳴を破ると、最近不調のダブルスでも観客の期待に応え、きっちり勝利を挙げた。こうなれば、2-2のラスト勝負を予想して、エース馬龍を温存した四川全興が圧倒的に有利。馬龍は若手の徐克(06世界ジュニア2位)をストレートで下してチームの勝利を決めた。これで四川全興、八一工商銀行ともに7勝3敗。ベテラン馬文革の2得点で勝利した浙商銀行を加え、3チームが首位に並んでいる。

[PEOPLE]中国男子チームの暴れん坊、邱貽可

 四川全興の殊勲のヒーローとなった邱貽可。今年の世界選手権ザグレブ大会でも混合ダブルスに出場しているが、03年世界選手権パリ大会での活躍をご記憶の方も多いのではないだろうか。男子シングルス2回戦で優勝候補のボル(ドイツ)を下し、ベスト8に入って中国男子のホープと言われた選手だ。
 ところがこの邱貽可、実は中国卓球史上に残るといっても過言ではないトラブルメーカー。なにしろ中国版グーグルで「邱貽可」を検索してみると、関連検索の1番目に「邱貽可 処罰」が出てくるくらいだ。その武勇伝(?)の一例を挙げてみると…

・03年ITTFプロツアー・グランドファイナル(広州市)の期間中、外出してベロベロに酔っぱらい、人に担がれてホテルに戻った。1万元の罰金と、半年間の国際試合への出場停止
・05年超級リーグ、遼寧鉄嶺裕路戦でチームメイトの王建軍に対する判定に腹を立て、審判に食って掛かって会場は大荒れ。5千元の罰金
・06年2月、友人たちと遊びに出かけて門限の10時を破り、午前2時にようやく帰着。ブレーメン大会予選会への参加資格取り消し

 …などなど。それでも03・05・07年と個人戦では3大会連続で中国代表に選ばれているのは、将来性を認められているからか、それともパリ大会でのボル戦のご利益なのか…。ともかく、四川全興の優勝へのカギを握るのが、この邱貽可だということだけは間違いない。

Photo上:05年全中国運動会での邱貽可。卓球王国での呼び名は「イカちゃん」
Photo中:03年世界選手権パリ大会ではボルを撃破
Photo下:ラストで徐克に完勝、エースの面目を保った馬龍