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中国リポート

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 中国では9月24日~10月2日まで、第11回全中国運動会・卓球競技が開催される。開催地は山東省青島(チンタオ)市。青島ビールと家電の「海爾(Haier/ハイアール)」で有名な港湾都市だ。

 全中国運動会は日本で言えば国民体育大会に相当するが、開催は4年に1回。別名「中国のオリンピック」とも言われ、熱く盛り上がる大会だ。指導者にとっては、この大会での成績がひとつの手腕のバロメーターにもなる。
 第1回全中国運動会が行われたのは1959年。容国団が世界選手権ドルトムント大会で中国人初の世界チャンピオンになってから、半年後のことだ。卓球ももちろん正式競技に加えられていたが、旧中華民国時代(1912年~1949年)に行われていた「全国運動会」では、度重なる加入要求にも関わらず、卓球がなかなか正式競技に加入できなかった。「卓球を入れるならカルタも入れよ」と明治神宮競技大会への加入が進まなかった日本と同様、卓球が競技スポーツとして認知されていなかったためだ。1948年の第8回全国運動会で正式競技に加わるまで、全国運動会への加入は中国の卓球人の悲願だった。そして中国初の世界チャンピオン・容国団の登場により、卓球は花形競技のひとつとして第1回全中国運動会に登場することになる。
 やや長くなるが、全中国運動会の歴代チャンピオンを下にあげておこう。

第1回大会(1959) [男単]王伝耀 [女単]胡克明  [男複]姜永寧・庄家富 [女複]邱鐘恵・叶佩ジン [混複]荘則棟・邱鐘恵
第2回大会(1965) [男単]荘則棟 [女単]林慧卿  [男複]徐寅生・李富栄 [女複]梁麗珍・黄玉環  [混複]陸巨方・梁麗珍
第3回大会(1975) [男単]王文栄 [女単]閻桂麗  [男複]梁戈亮・趙卓敏 [女複]李明・劉新艶   [混複]李鵬・李明
第4回大会(1979) [男単]王会元 [女単]斉宝香  [男複]廖福民・黄堅果 [女複]戴麗麗・沈剣萍  [混複]王会元・劉新艶
第5回大会(1983) [男単]恵鈞  [女単]焦志敏  [男複]江加良・黄文冠 [女複]戴麗麗・沈剣萍  [混複]滕義・趙曉雲
第6回大会(1987) [男単]王涛  [女単]焦志敏  [男複]陳龍燦・成応華 [女複]耿麗娟・李恵芬  [混複]王振義・劉偉
第7回大会(1993) [男単]呂林  [女単]トウ亜萍 [男複]王涛・劉国梁  [女複]李菊・ウ娜    [混複]王振義・喬雲萍
第8回大会(1997) [男単]王涛  [女単]トウ亜萍 [男複]王涛・劉国梁  [女複]トウ亜萍・張輝  [混複]秦志ジェン・楊影
第9回大会(2001) [男単]馬琳  [女単]王楠   [男複]馬琳・劉国正  [女複]王楠・張瑞    [混複]秦志ジェン・楊影
第10回大会(2005) [男単]王励勤 [女単]張怡寧  [男複]王励勤・劉杉  [女複]李暁霞・彭陸洋  [混複]徐輝・郭躍

 …見てのとおり、文化大革命期の混乱などが原因で、きっちり4年おきに大会が開催されたわけではない。そうそうたるビッグネームが並ぶが、75年の第3回大会の男女チャンピオンはややマイナーか。昔の記録をひも解いてみると、男子単優勝の王文栄は1972年の第1回アジア卓球選手権に出場し、準々決勝で河野満(日本)をストレートで破って3位に入賞。女子単優勝の閻桂麗はダブルスのスペシャリスト、タイトルにこそ恵まれなかったが、世界選手権の女子複・混合複で銀メダル2個、銅メダル2個を獲得している。第6・7回大会の混合ダブルスで優勝した王振義は、実業団リーグのびわこ銀行で活躍し、のちに日本に帰化した青山振一選手だ。

 その2に続きます…。

Photo上:05年第10回大会の会場となった無錫体育館。中国卓球協会の蔡振華会長の故郷でもある
Photo中:選手たちに声援を送る観衆
Photo下:05年当時まだ現役だった孔令輝、人気は健在だった