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中国リポート

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 9月24日~10月2日に行われる全中国運動会・卓球競技は、正式には全中国運動会・卓球競技の決勝トーナメントだ。たとえば男女シングルスに出場できるのは、予選が免除されたシード選手と予選を勝ち抜いた選手24名、合わせて38名しかいない。今年5月に内モンゴル自治区のフフハトで行われた全中国運動会予選ではダブルスで波乱が続出、男子ダブルスで馬琳/張超(広東)、混合ダブルスで馬琳/劉詩ウェン(広東)、陳杞/陳晴(江蘇)らが敗れている。これまで全中国運動会では個人戦3種目を全て制した「三冠王」はひとりもいないが、馬琳や劉詩ウェンにはすでに三冠王挑戦への資格がないのだ。
 今大会の男女団体・シングルスのドローを見る前に、前回の無錫大会(05年)の決勝のスコアをおさらいしておこう。

■第10回全中国運動会・卓球競技 2005.10.11~18/江蘇省無錫市
[男団決勝]江蘇省(陳杞・單明杰・秦志ジェン) 3-1 解放軍(王皓・柳洋・李陟)
[女団決勝]北京(張怡寧・郭炎・丁寧) 3-1 山東省(李暁霞・彭陸洋・姜華君)
[男単決勝]王励勤(上海) 3、1、6、5 王皓(解放軍)
[女単決勝]張怡寧(北京) -6、6、-8、-6、7、6、9 王楠(遼寧)
[男複決勝]王励勤/劉杉(上海) 10、-7、-12、4、-9、11、8 馬琳/張超(広東)
[女複決勝]李暁霞/彭陸洋(山東) 10、-13、5、3、7 李楠/唐娜(天津)
[混複決勝]徐輝/郭躍(遼寧) 9、8、7、9 王励勤/張晶(上海)

 王励勤が男子シングルス・ダブルスを制し、混合ダブルスも決勝まで進出して三冠王にあと一歩まで迫ったが、混合ダブルス決勝で徐輝/郭躍ペアに完敗した。女子団体優勝の北京市は、準決勝で王楠・郭躍・常晨晨を揃えた遼寧省を相手に0-2から逆転勝ちし、団体2連覇を決めている。
 それでは、まず男子団体戦の予選グループの組み合わせから見ていこう。

★男子団体
A:解放軍、河北省、四川省、新彊ウイグル自治区
B:山東省、天津市、河南省、通信体育協会、香港
C:上海市、北京市、浙江省、福建省
D:江蘇省、広東省、遼寧省、黒龍江省、マカオ

 各グループの上位2チームまでが準々決勝へ進む。断トツの優勝候補筆頭は昨年の全中国選手権・団体戦を圧倒的な強さで制した解放軍。超級リーグでは孤軍奮闘の王皓だが、本来は解放軍の所属であるふたり、山東魯能・中超電纜のエース張継科と錦州銀行のエース雷振華がチームに加わり、層の厚さでは群を抜いている。3番手の雷振華はシングルスで予選落ちしたため、団体戦に力を尽くすだろう。
 もっとも、戦力が充実したチームがあっても、全中国運動会には「楽勝」という文字は存在しない。超級リーグの最多勝男・馬龍に閻安・侯英超がいる北京市、王励勤と伸び盛りの許シンがいる上海市、馬琳と張超を擁する広東省などが虎視眈々と優勝を狙う。続いて女子団体の組み合わせはこちら。

☆女子団体
A:北京市、山西省、四川省、河北省
B:山東省、広東省、上海市、浙江省、マカオ
C:解放軍、湖北省、江蘇省、雲南省
D:遼寧省、黒龍江省、天津市、広西チワン族自治区、香港

 …団体戦に出場するのは当初16チームずつだったのだが、予選が終わったあとで突然香港とマカオが組み込まれ、男女とも18チームで戦うことになった。マカオはともかく、香港は男女とも強豪チーム。女子の黒龍江省などは、2位通過が望める組み合わせだったところに香港が入ってきたのだから、災難としか言いようがない。この香港とマカオの参入には、かなり批判の声が上がったようだ。
 女子団体の優勝候補はやはり北京市だ。大黒柱の張怡寧に、郭炎と丁寧が両脇を固める陣容で、3連覇へ向けて死角はない。北京市を倒す可能性があるとしたら、郭躍・常晨晨・楊楊の遼寧省と李暁霞・彭陸洋・曹臻の山東省か。特に山東省は戦力的には北京市に劣らないものがあるが、李暁霞は右肩痛、彭陸洋は腰痛と故障を抱え、全力でプレーできるかどうかは微妙だ。劉詩ウェンがいる広東省も上位進出の可能性はあるが、2番手以下が不在なのが痛い。

 その3ではシングルスのドローと優勝者予想をお伝えします!

Photo上:01年第9回大会で優勝した王楠。国内外で無敵を誇った女王の貫禄です
Photo中:第9回大会決勝で王楠に逆転負けし、感情を爆発させた張怡寧。「不動心の女王」もまだ19歳、試合態度の悪さゆえに大会後、謝罪文の発表、国際試合の出場停止などキツいお仕置きを受けた
Photo下:05年第10回大会の決勝で王皓に完勝、笑顔でベンチに戻る王励勤