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中国リポート

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 2月5~6日、福建省厦門(アモイ)市の厦門卓球訓練基地で、国家男子1軍チームのメンバーによる「直通莫斯科」世界団体選手権・男子代表選考会の第1ステージが開催される。
 女子の「直通莫斯科」は、江蘇省にあるソーラーシステムのメーカー・江蘇桑夏集団がスポンサーとなり、“桑夏杯”という冠名がつけられていたが、男子の「直通莫斯科」も中国の巨大バンクのひとつである華夏銀行がスポンサーとなり、“華夏銀行杯”の冠名がついた。考えてみれば、代表選考会は国内のトップ選手が一堂に会する舞台であり、代表の座を賭けた戦いは賞金付き大会以上にヒートアップする。観客を入れ、テレビカメラも入るとなれば、企業としてもスポンサーになるメリットは少なくない。中国卓球協会のスポンサー獲得戦略のひとつだ。
 そして今回の男子の「直通莫斯科」は、女子のような総当たりのリーグ戦ではなく、重点強化選手8名によるトーナメント戦が初めて採用された。その8名と、初戦の対戦カードは以下のとおり。優勝者が、中国男子代表の第1号となる。

★「直通莫斯科」男子第1ステージ組み合わせ
馬龍(マ・ロン/WR1) vs. 許シン(シュ・シン/WR15)
張継科(チャン・ジィカ/WR12) vs. 王励勤(ワン・リチン/WR5)
馬琳(マ・リン/WR3) vs. 陳杞(チェン・チー/WR9)
ハオ帥(ハオ・シュアイ/WR7) vs. 王皓(ワン・ハオ/WR2)

 8名の選手がすべて世界ランキング15位以内、卓球ファンならば見逃せない試合ばかりだ。国家男子チームの劉国梁監督が「この8名で行われる試合は、オリンピクよりもレベルが高い」と豪語するのもうなずける。今回、選手を8名に限定してのトーナメント制が導入された理由として、劉国梁監督は次のように述べている。
「現在の男子チームは世代と実力差がはっきり分かれてきており、この8名の選手たちが実力的には抜きん出ている。また、総当たりのリーグ戦は試合数が多く、『1、2試合は負けても関係ない』というように、選手の集中力が下がってしまいやすい。トーナメントならば、戦いははるかに激しいものになり、選手たちの精神面の強さを量ることもできるだろう」(出典『京華時報』)。

 国家男子チームの中では張超、李平、邱貽可、雷振華といった選手たちには、この8名を破ってもおかしくない実力があるが、今回の男子の「直通莫斯科」は計3回開催される。第2ステージと第3ステージでは、優勝して代表権を獲得した選手と入れ替わりで、部内ランキング9位と10位の選手が補充されるため、ノーチャンスというわけではない。また、代表メンバー5名のうち残る2名は、協会推薦で決定されることになっている。

 「直通莫斯科」男子第1ステージ、ちょっと意外な選手が優勝をさらって代表権を獲得したのだが…、その結果は次回に譲ります(ゴメンナサイ)。

Photo上:世界ランキング1位で「直通莫斯科」に臨む馬龍
Photo下:馬琳とともに、5大会連続で世界選手権の団体メンバーとなっている王励勤