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中国リポート

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★「直通莫斯科」男子第1ステージ結果 2010.2.5~6
●準々決勝
許シン -8、-5、8、6、7 馬龍
王励勤 10、-1、11、-8、3 張継科
陳杞 10、8、-4、10 馬琳
ハオ帥 4、5、6 王皓
●準決勝
許シン -10、4、9、6 王励勤
ハオ帥 -10、-4、6、12、11 陳杞
●決勝
許シン 7、-9、10、8 ハオ帥

※許シンが世界団体選手権モスクワ大会の代表権を獲得!

 …この8名の中で、誰が許シンとハオ帥の決勝戦を予想しただろうか。世界ランキング1位の馬龍、2位の王皓、3位の馬琳が初戦となる準々決勝で敗れ、トーナメント制の採用がトップ選手たちに大きな課題を突きつける形となった。「波乱の連続、これこそ私が見たかったものですよ」(劉国梁監督)。

 男子「直通莫斯科」第1ステージは、初戦から波乱の展開。許シンが馬龍を0-2からの逆転で破った。第3ゲーム終盤に得意の3球目攻撃を連発して許シンが1ゲームを奪い返すと、やや守りに入った馬龍を許シンが豪快な両ハンドドライブで攻め立て、馬龍を破った。「出足の2ゲームはすごく良かったけど、第3ゲームから許シンが戦術を変えてきて、それに対応しきれなかった。勝利を焦り、また相手のミスを待つ心理が働いてしまった」(馬龍)。
 昨年11月のアジア選手権、今年1月のプロツアーグランドファイナルで許シンに勝っていた馬龍だが、2ゲームを先取したところで逆に勝負に慎重になりすぎたか。ツボにはまった時の強さは間違いなく世界No.1だが、流れを掴めない時や相手に戦術を変えられた時、まだ若さが出るようだ。

 ペンホルダードライブ型の両巨頭、王皓と馬琳は、ともにサウスポーの伏兵であるハオ帥と陳杞に破れた。特に王皓は調子が上がらずに第1ゲームを落とした後、第2ゲーム王皓5-7ハオ帥、第3ゲーム王皓6-7ハオ帥から、ハオ帥に4点連取を喫して撃沈。実は王皓はハオ帥に対してあまり分が良くない。王励勤や馬龍、張継科といったトップ選手たちを苦にしない王皓が、馬琳とこのハオ帥は苦手としているのだ。対外的な実績は少ないハオ帥だが、07年の世界選手権ザグレブ大会の選考1次リーグで1位を獲得するなど、「内弁慶」な強さは際立っている。

 そして決勝は、準決勝で上海市チームの先輩・王励勤を破った許シンと、最終ゲーム8-10とマッチポイントを握られてから陳杞に逆転勝ちを収めたハオ帥の対戦。ともに世界団体選手権への出場経験はなく、まさしく一世一代のビッグチャンス。第2ゲームのハオ帥7-6でハオ帥がタイムアウト、第3ゲームの許シン9-8で許シンがタイムアウト、スコアが離れないシーソーゲームをきわどく制した許シンが代表権獲得の第1号となった。
 「ハオ帥はもう27歳だが、今回出場した8名の主力選手の中でひとりだけビッグタイトルに縁がない。これは彼の実力が足りないのではなく、中国にいるからだよ。今回の彼のプレーには日々のたゆまぬ努力を見た。しかし、最後には惜しくも敗れてしまった。私もまた非常に残念だ」(出典:『新浪体育』)と敗れたハオ帥を気遣った劉国梁監督だが、「直通莫斯科」の後には、直近のプロツアーの派遣メンバーからハオ帥と陳杞を外すことも明言している。ハオ帥、千載一遇のチャンスを逃したか…?

Photo:馬龍、王励勤、ハオ帥を連破し、文句なしの代表権獲得となった許シン
Photo:推薦での出場は厳しいハオ帥、今回のビッグチャンスを活かしたかった
※写真はともに09年ITTFプロツアー・グランドファイナル