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中国リポート

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 8月8日から18日まで、タイ・バンコクで行われていた第24回夏季ユニバーシアード。卓球がユニバーシアードの正式種目に加わった記念すべき大会だ。
 昨年まで毎年開催されていた世界大学卓球選手権は、昨年のスロベニア・マリボル大会が最後の開催となった。ちなみにユニバーシアードでは、これまでにも2001年北京大会で卓球が特別種目として行われており、男子シングルスでは王励勤、女子シングルスでは準決勝で張怡寧を破った帖雅娜が優勝している。

 ユニバーシアードの参加資格は「大会が開催される年の1月1日現在で17歳以上28歳未満」で、「大学または大学院に在学中、もしくは大会の前年に大学または大学院を卒業した人」とのこと。プロ選手でも上記の規定を満たしていれば参加できる。
 中国からは男女5人の選手団が参加。男子はセン(瞻の右側)健・侯英超・高欣・林晨・王熹。いずれも上海交通大学に在籍している。女子が饒静文・劉娟・余静微・戴寧陽・蔡サンサン(女+冊)。こちらも中国を代表する強豪大学、上海・華東理工大学の単独チームだ。

 男子団体決勝、荘智淵・張雁書がいるチャイニーズ・タイペイの前に苦戦が予想されたが、セン健が2番で荘智淵をゲームオールで下す金星を挙げ、そのままストレートで押し切った。女子団体決勝は04年世界大学チャンピオンの福岡春菜(中国電力)を擁する日本と対戦し、こちらもストレートで完勝。左ペンドライブ型の劉娟が福岡に3-1で勝利した。
 男子シングルスで優勝したのは、決勝で昨年の世界大学チャンピオン・侯英超(世界ランク11位)をストレートで下した高欣。準決勝でも荘智淵に4-1で完勝しており、大健闘と言えるだろう。2005年の東京選手権に上海市チームの一員として来日し、準決勝で吉田海偉(日産自動車)に完敗しているが、それからかなり実力を伸ばしているようだ。
 女子シングルスは実力どおり、上海電信理工のチームメイトである饒静文と劉娟が決勝で対戦。ゲームオールの激戦を饒静文が制した。前回チャンピオンの余静微は4回戦(ベスト8決定戦)で福岡春菜に敗れている。
 女子ダブルスは劉娟/饒静文、混合ダブルスは林晨/饒静文が制し、中国は7種目のうち6種目で優勝。饒静文は出場した種目すべてで優勝し、4冠を獲得して今大会の女王となった。中国が唯一タイトルを逃がしたのが男子ダブルス。タイペイ勢同士の決勝となり、荘智淵/張雁書が優勝を決めた。前回大会でも中国は男子ダブルスだけタイトルを逃しており、タイペイが得意のダブルスで意地を見せている。
 次回の夏季ユニバーシアードは2009年にセルビアのベオグラードで開催される。

Photo上:ユニバーシアードの男子初代チャンピオンに輝いた高欣
Photo中:4種目を完全制覇した饒静文
Photo下:男子シングルス3位の荘智淵。2000年の世界大学卓球選手権にも参加しているのだが、まだ学生なのか…