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中国リポート

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 出場した8名の選手のうち、最も世界ランキングが低い許シンの優勝というサプライズで幕を閉じた男子「直通莫斯科」第1ステージ。北京五輪代表の馬琳、王皓、王励勤、そして世界ランキング1位の馬龍さえも決勝に進むことができなかった。
 2010年を迎え、2000年代の中国男子を長く牽引してきた「龍虎」、王励勤と馬琳にも現役引退の時が近づきつつある。今回の「直通莫斯科」では、馬琳は初戦で陳杞に惜敗。「協会の推薦枠を当てにするな、残り2回の選考会で自力で代表権を獲得しろ」と劉国梁監督にハッパをかけられたと伝えられている。今年1月のITTFプロツアー・グランドファイナルでも初戦で張継科に元気なく敗れ、大々的な離婚報道以降、プレーに精彩を欠いている。一方の王励勤は、全中国運動会ではともにダブルスを組み優勝した許シンに敗れた。初戦の張継科戦も第3ゲーム6-10から逆転していなければ、1-3で敗れていてもおかしくない内容。最近はパワーで打ち勝つというより、テクニックでかわすプレーが目立つ。

 実は王励勤と馬琳には、世界団体選手権モスクワ大会にひとつの記録がかかっている。中国代表の世界選手権への連続出場記録だ。2003年から世界選手権が毎年開催(個人戦と団体戦を交互に開催)になったため、単純な比較はできないが、中国男子/女子の連続出場記録ベスト5は以下のとおりとなっている。

★中国男子・世界選手権連続出場記録 BEST5
[1位]11回… 王励勤、馬琳
[2位]8回… 孔令輝
[3位]7回… 劉国正、王皓
[4位]6回… 劉国梁
[5位]5回… 王伝耀、李富栄、張燮林、梁戈亮、王会元、馬文革、陳杞

☆中国女子・世界選手権連続出場記録 BEST5
[1位]11回… 王楠
[2位]10回… 張怡寧
[3位]8回… 李菊
[4位]7回… 郭躍
[5位]6回… 郭炎

 ご覧のように、これまでの世界選手権の連続出場記録は、王励勤と馬琳、そして女子の王楠が11大会で並んでいる。王励勤と馬琳のふたり、もしくはどちらかがモスクワ大会出場を決めれば12大会連続の出場、男女を通じて中国代表の新記録だ。ちなみに日本では松下浩二選手が12大会連続出場を果たしている。
 また、団体戦への出場回数でも、男子は王励勤と馬琳を含め、王伝耀、梁戈亮、馬文革、孔令輝、劉国梁の7名が5回で並んでおり、男子の新記録となる6回を目指す。中国選手の団体戦への出場回数の記録は、女子の孫梅英と王楠の6回。孫梅英(1931~1994)は1953年に中国が初めて世界選手権に出場した時の女子団体メンバー、引退後は何智麗(小山ちれ)らの名選手を育てている。

 世界選手権への12大会連続出場、世界団体戦への6大会出場は「卓球大国」中国にあって快挙と言うほかない記録だが、果たして王励勤と馬琳、ふたり揃って代表権を獲得できるのか。それともどちらかが脱落するのか。「直通莫斯科」の第2ステージは3月上旬に行われる予定だ。

Photo:97年のマンチェスター大会から世界選手権への出場を続けている王励勤(上)と馬琳(下)