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中国リポート

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 昨シーズンの中国卓球クラブ超級リーグで、世界チャンピオン王皓を擁しながら7位に沈んだ八一工商銀行・男子チーム。実質的に中国の国軍である八一解放軍を、巨大銀行である中国工商銀行が長くスポンサーとして支えてきた。スポンサーが目まぐるしく変わる超級リーグにあって、長く冠名の変わらない稀有なクラブだったが、昨シーズンは女子チームのスポンサーが長安医院(山西省西安市)にチェンジ。そして今シーズンは男子チームが新たなスポンサーを獲得した。

 新たに八一解放軍・男子チームのスポンサーになったのは、造船業を中心とする重工業大手の熔盛重工集団。4年間で3200万元(約4億2500万円)という複数年契約を結び、クラブ名は「八一熔盛重工」となる。八一解放軍では、男子サッカーチームがスポンサーの獲得に苦しみ、2003年に解散。卓球の超級リーグでも、女子の重慶康徳が昨シーズン残留に成功しながら、スポンサーを獲得できず超級リーグへの参戦権を譲渡している。八一解放軍・男子チームは向こう4年間はひと安心で、超級リーグでは久々の大型契約となった。

 1964年、第2回全中国運動会の終了後に結成された八一解放軍卓球チーム(八一は解放軍の建軍記念日である8月1日)。正式名称は「解放軍八一体育工作大隊ピンパン球中隊」という長ったらしいもので、あくまでも軍隊の中の一部隊であり、所属選手たちも軍人だ。これまでに男子の施之皓、李振恃、王涛、劉国梁、王皓、女子の戴麗麗、童玲など数多くの世界チャンピオンを輩出し、中国卓球界でも屈指の名門と言える。結成の中心人物で今年81歳になる賀捷は、1961年の第26回世界選手権北京大会で審判長を務め、中国卓球協会の副主席などを歴任した中国卓球界の元老のひとりだ。男子チームはここ数年若手が伸び悩み、王皓のワンマンチームという印象が否めないが、新たなスポンサーを迎えて奮起できるか。

Photo:八一解放軍・男子チームの主力メンバー、昨年9月の全中国運動会で混合ダブルス3位に入った徐克(上)と、シングルスで陳杞を追いつめた楊暁夫(下)