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中国リポート

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 今年2010年、中国のとある都市でビッグゲームが相次いで開催される。2008年の世界団体選手権の開催地として記憶に新しい広東省の省都、広州市だ。3月26~28日までアジアカップ、29~30日までフォルクスワーゲンカップ、そして11月12~27日には第16回アジア競技大会(卓球競技の開催期間は未定)。やはりアジア競技大会への注目度が高いが、今年度からの新設大会であるフォルクスワーゲンカップも興味深い。日本から水谷隼、福原愛の両選手が参戦する、世界ランキングの上位選手8名(各国1名のみ)によるトーナメントに加え、5つのペアが3分の持ち時間でラリーのパフォーマンスを競う「Spectacular Pairs」も開催。ワルドナー&パーソン(スウェーデン)、セイブ兄弟(ベルギー)、松下浩二&渋谷浩(日本)など往年の名ペアが顔を揃えている。

 広州市のある広東省は、北京・天津・上海などと並んで、中国卓球のひとつの中心地。中国国内でも群を抜く経済力を背景に、これまで数多くの国際大会を開催してきた。86年にアジア選手権、93年に男子ワールドカップ、03年にITTFプロツアー・グランドファイナル、05・09年に女子ワールドカップ、06・07年にITTFプロツアー・PANASONICオープンと一つひとつ挙げていくとキリがない。来年は深セン(土+川)市で第26回ユニバーシアードも開催予定だ。1995年に順徳市で、現在の中国卓球クラブ超級リーグの前身である「全国クラブカップ」が初めて開催されたことも特筆すべきだろう。

 輩出した選手の代表格は、なんと言っても中国初の世界チャンピオンである容国団(ロン・グオトゥアン)と、85・87年世界チャンピオンの江加良(ジァン・ジャーリァン)。容国団は香港育ちだが、ふたりとも原籍は広東省中山市。ルックスと実力を兼ね備えていた広東卓球界の二大スターだ。現在の広東省卓球チームは、経済的に豊かなこともあって東北部や内陸の省からの移住選手がほとんど。馬琳、張超、劉詩ウェンは遼寧省、女子チームのベテラン・曹幸ニィは湖南省の出身。また男子チームのホープである金義雄は、珍しく漢族ではなく朝鮮族(中国国内に居住する朝鮮民族)の出身だ。

 日本から広州市までは、成田空港から4時間半、新関西国際空港から4時間のフライト。3月26~30日に広州に行けば、アジアカップとフォルクスワーゲンカップがまとめて観戦できます。中国四大料理のひとつ、広東料理とセットでトップ選手のプレーを堪能してみてはいかがでしょうか?

Photo上:08年世界団体選手権が行われた広州体育館
Photo下:地元で行われるフォルクスワーゲンカップに出場する劉詩ウェン