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中国リポート

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 国家男女卓球チームによる、世界団体選手権モスクワ大会の代表選考会「直通莫斯科」。男子第2ステージは昨日10日、黒龍江省の黒龍江大学体育館で開幕。女子第2ステージは今日11日から、天津市の塘沽体育館で熱戦の火ぶたを切る。
 第1ステージでは波乱が相次ぎ、出場選手の中で世界ランキングが最も低かった許シンが代表権獲得の第1号となった男子チーム。第2ステージでは許シンに替わって雷振華が加わり、引き続き8名によるトーナメントの優勝者が代表権を獲得する。対戦カードは以下のとおりとなっている。

★「直通莫斯科」男子第2ステージ組み合わせ
馬龍(マ・ロン/WR1) vs. ハオ帥(ハオ・シュアイ/WR7)
馬琳(マ・リン/WR3) vs. 陳杞(チェン・チー/WR9)
王励勤(ワン・リチン/WR5) vs. 張継科(チャン・ジィカ/WR12)
王皓(ワン・ハオ/WR2) vs. 雷振華(レイ・ジェンホア/WR64)


 4試合のうち2試合(馬琳vs陳杞、王励勤vs張継科)が第1ステージと同じ対戦カード。不調の王皓は、全中国運動会でともに団体優勝メンバーとなった雷振華との対戦で、復調した姿を見せたい。ベテランの馬琳と王励勤は、何としてもこの「直通莫斯科」を勝ち抜いて代表権を獲得したいし、カタールオープンとクウェートオープンで優勝を逃した馬龍も、世界ランキング1位の名に懸けてこれ以上敗戦を重ねるわけにはいかない。推薦での代表権獲得の望みが薄いハオ帥と陳杞も、この「直通莫斯科」に勝負を賭けるしかない。…世界選手権ではクールな試合態度が多い中国勢だが、この「直通莫斯科」では相当にアツい戦いが展開されそうだ。

 一方、女子は第1ステージに出場した22名のうち、優勝した郭躍と2位の李暁霞を除く上位16名の選手が第2ステージに進出。李暁霞は第1ステージの直前に発症した急性虫垂炎の手術を3月1日に受けたため、第2ステージは欠場。軽い体力トレーニングを経て、第3ステージでは戦列に復帰できる予定だ。
 女子の第2ステージは8人ずつグループA/Bのふたつのグループに分かれて予選を行い、各グループの上位2名が準決勝に進出。決勝戦を勝ち抜いた選手が2人目の代表権獲得者となる。グループの組み合わせは以下のとおり。

☆「直通莫斯科」女子第2ステージ組み合わせ
グループA:郭炎・曹臻・馮亜蘭・彭陸洋・文佳・常晨晨・王シュアン・范瑛
グループB:劉詩ウェン・丁寧・李暁丹・姚彦・木子・武楊・楊楊・饒静文


 全体的に見て、グループBのほうが厳しい組み合わせとなった。グループAは順当にいけば郭炎が勝ち上がりそうだが、2位以下は予測が難しい。世界ランキング10位の范瑛は、第1ステージで18位に沈みながら、李暁霞の欠場により幸運にも第2ステージへ駒を進めた。グループBは劉詩ウェンと丁寧が実力的に抜けているが、姚彦や木子らの底力も侮れない。カット打ちへの不安が完全に払拭されたとは言いがたい丁寧にとっては、カット主戦型の武楊の存在も脅威。
「最近の国際大会でのプレーをみる限り、今回代表権を獲得する確率が一番高いのは劉詩ウェン。しかし、国際大会と国家チーム内の試合は違う。チームメイトとの戦いはメンタルに様々な変化を生むし、郭炎や丁寧らにもチャンスはあるだろう」(施之皓監督)。果たしてその結果は…?

Photo上:ダークホースとなるか、「直通莫斯科」で王皓と対戦する雷振華
Photo下:張怡寧、郭躍、李暁霞がいない今回の「直通莫斯科」。劉詩ウェンには負けられないプレッシャーがかかる