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中国リポート

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 3月18日に行われた『2010年中国卓球クラブ超級リーグ・摘牌大会』。男子の6選手の入札結果は以下のとおりとなった。

★男子「特級甲等」 ※選手名の後ろの( )内は昨シーズンの所属チーム
馬龍(寧波北侖海天)      →[173万元(約2370万円)]→ 浙商銀行
馬琳(浙商銀行)        →[258万元(約3530万円)]→ 寧波北侖海天
許シン(上海明園・金海洋集団) →[160万元(約2190万円)]→ 覇州海潤
 ★男子「一級」
ハオ帥(四川全興)       →[451万元(約6180万円)]→ 浙商銀行
張超(浙商銀行)        →[351万元(約4800万円)]→ 山東魯能
ジャン健(覇州海潤)      →[90万元(約1230万円)]→  江蘇中超電纜
  
 落札額の最高値を記録したのは、08年度に続いてハオ帥。前回の423万元を上回る451万元を記録し、浙商銀行が落札した。男子ではこの451万元という金額は、06年の摘牌大会で馬琳が記録し、「空前絶後」と言われた501万元に次いで高い数字となる。
 ちなみに、ハオ帥が昨シーズンまで所属していた四川全興は、スポンサーの四川全興股フェン有限公司が撤退、エース・ハオ帥を残留させることができず、3番手の王建軍(ベルギー・シャルロワ)も移籍と踏んだり蹴ったり。しかし、近日中には新しいスポンサーが決定する見込み。さらに四川卓球・バドミントン管理センターの代天雲氏によれば、ハオ帥に替わって、海外から同じ左シェークドライブ型の大物選手の加入が有力となっている。

 やや話が脇道に逸れたが、前回の2008年の摘牌大会と同様、一級選手の落札額が特級選手を上回るという逆転現象が起きたのには理由がある。超級リーグの「選手登録及び移籍規定(2010-2011年版・試行)」によれば、現在の超級リーグでは、各クラブとも世界チャンピオンクラスの特級選手を1名までしか登録することができない(3名以上所属している場合は2名まで登録可)。すでに特級選手の王皓をエースとして抱える八一熔盛重工(旧名:八一工商銀行)や、王励勤を残留させて許シンを放出した上海明園-金海洋集団などは、特級選手の入札に参加することができないのだ。結局、特級選手の入札に参加できるのは4つのクラブに留まり、4つのクラブに3名の選手となれば、獲得競争もそれほど過熱しない。
 一方、中国代表クラスの一級選手の場合は、各クラブとも特級選手と合わせて2名まで登録することができる。すでに特級選手を抱えるクラブも、一級選手なら1名登録することができるため、全てのクラブが争奪戦を展開。一級選手の中で、特級選手を破るほどの実力を持つハオ帥や張超に人気が集まり、落札額が高騰したのも自然な成り行きということになる。

 結果的に、男子の摘牌大会で最も成功を収めたのは、今年で4シーズン目を迎える浙商銀行だろう。昨シーズンの最多勝男・馬龍を173万元とリーズナブルな金額で獲得し、豊富な財力を残る一級選手の獲得につぎ込んで、ハオ帥を競り落とした。ここまで07・08・09年と優勝にあと一歩まで迫りながら、3シーズン連続の2位。悲願の優勝に向け、強力なメンバーが揃いつつある。特級選手で最高落札額の馬琳は、07年にエースとして優勝を経験した寧波北侖海天に復帰。優勝請負人の称号を取り戻せるか。伸び盛りの許シンは、昨シーズン甲Aリーグとの入れ替え戦を制し、大健闘の超級リーグ残留を果たした覇州海潤が落札。ハングリーなドライブプレーで、チームに勢いを与えたいところだ。

 その3では、歴史的な落札額を記録した女子の摘牌大会をレポート。札束が乱れ飛んでいます…。

Photo上・中:実力は特級クラス、お買い得な一級選手であるハオ帥(上)と張超(中)が男子摘牌大会の主役に
Photo下:上海チームから修行に出された許シン、下位チームをどこまで引っ張れるか