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中国リポート

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 今、中国女子で最も勢いがある選手といえば、1月発表の女子世界ランキングで1位に躍り出た劉詩ウェン。女子「直通莫斯科」第2ステージで優勝して初の世界団体代表入りを決め、地元・広州市で開催された第23回アジアカップ、第1回フォルクスワーゲンカップでも他を寄せつけぬ強さで2連勝。ランキング1位の座を着々と固めつつある。両ハンドドライブでグイグイ攻めまくるそのプレースタイル同様、まさに乗りに乗っている感じだ。

 そして劉詩ウェン、卓球のみならずプライベートでも中国のマスコミを騒がせている。先月末、アジアカップの開催とほぼ時を同じくして、アジアカップの女子チャンピオンである劉詩ウェンと、男子チャンピオンである張継科との“熱愛”が一斉に報道された。すでに大会の期間中や空港などで、仲睦まじい姿がたびたび目撃され、なかば「公然の秘密」となっていたようだ。
 張継科は1988年2月16日生まれの22歳、劉詩ウェンは1991年4月12日生まれでもうすぐ19歳。ともに将来を嘱望(しょくぼう)される国家チームのホープ同士、いかにもお似合いのカップリングではある。張継科が2003年、劉詩ウェンは1年遅れて2004年に国家2軍チームに入り、ほどなくして交際がスタートしたと伝えられている。両選手とも、否定するコメントは出していない。

 劉詩ウェンの担当コーチである孔令輝は、昨年9月の全中国運動会の前に次のように語っている。「国家チームの中でも、私の担当グループ(郭躍・劉詩ウェン・姚彦・木子)は他のグループに比べて平均年齢が若いが、知っている限りでも2人が交際中。20歳くらいの女の子が恋愛をするのはごく自然なことだ。もちろん、プレーに影響が出ないことが大前提になるけどね」(出典:『生活日報』)。一方、未来の国家女子チームのリーダーとして、劉詩ウェンに期待を寄せる施之皓監督は「詳しい事情は知らないが、まだ早すぎるんじゃないか」とコメント。「何歳くらいならば良いでしょうか?」という記者の質問には、22歳以降のほうが良いと思う。まだ精神的に未熟なうちの恋愛は、練習やプレーに影響が出るかもしれない」(出典:『金羊報』)と述べている。

 2004年には当時恋愛関係にあったとされる選手たちが、国家チームから省チームへ戻されるなど、現役選手に対しては「恋愛厳禁」「卓球を愛してチームメイトを愛さず」が原則だった国家チーム。しかし、昨年9月の王皓と彭陸洋の交際報道に際し、呉敬平コーチ(王皓の担当コーチ)が「別にニュースでも何でもない。ようやく報道されるなんて遅すぎるくらいだ」と述べているように、プレーに悪影響を及ぼさなければ、コーチ陣も恋愛を容認する姿勢を見せている。「選手の恋仲を引き裂いた」と報道されれば、国家チームのイメージにとってもマイナス。卓球界のベストカップルとして、イメージアップに貢献してもらうほうが得策かもしれない。

 Photo上:世界ランキング急上昇中の張継科は、公私ともに順調?
Photo下:王国編集部内にも一部に熱狂的なファンを持つ劉詩ウェン