スマホ版に
戻る

中国リポート

トップニュース中国リポート
 現在、河北省の正定国家卓球訓練基地で集合訓練を行っている国家女子チーム。4月13日と19日に、世界選手権団体戦モスクワ大会を想定した部内対抗戦を実施している。
 まず、4月13日の対抗戦は、すでにモスクワ大会の代表権を獲得している郭躍・劉詩ウェン・郭炎と、代表権を獲得していない李暁霞・丁寧・武楊が対戦。「代表確定チームvs.代表候補チーム」の戦いとなったが、結果は以下のとおり。

[代表候補チーム 3-2 代表確定チーム]
 李暁霞 2-3 劉詩ウェン○
○丁寧 3-0 郭躍
○武楊 3-0 郭炎
 丁寧 2-3 劉詩ウェン○
○李暁霞 3-0 郭躍

 エース郭躍が全く調子が上がらないまま、まさかの2失点。ラストでは風邪が治りきらない李暁霞からも、1ゲームすら奪うことができなかった。「直通莫斯科」第3ステージで代表権を獲得したばかりの郭炎も、ベンチに施之皓・国家女子チーム監督が入りながら、武楊の鉄壁のカットの前になす術(すべ)なし。正牌隊(代表確定チーム)は劉詩ウェンの孤軍奮闘という内容で、2-3で敗れている。
 続けて4月19日、一昨日行われたばかりの部内対抗戦は、国家女子チームのうち12名の選手が参加。「中国」「日本」「シンガポール」の3チームに分かれて試合を行った。中国チームは劉詩ウェン、郭躍、郭炎、李暁霞、丁寧、武楊の6名だが、残る2チームのメンバー編成がなかなか興味深いので、ご紹介したい。

◇仮想・日本女子チーム
王シュアン(王+旋) 右シェークF裏ソフト/B表ソフト攻守型
楊揚         右シェーク両面裏ソフトドライブ型
顧玉ティン(女+亭) 左シェーク両面裏ソフトドライブ型

◇仮想・シンガポール女子チーム
馮亜蘭        右シェーク両面裏ソフトドライブ型
曹麗思        右シェークF表ソフト/B裏ソフトドライブ型
饒静文        右シェークF裏ソフト/B表ソフトドライブ型

 見事なまでに、各チームの主力3選手に対応するメンバーを揃えている。たとえば仮想・日本女子チームは、「仮想・福原愛選手」の王シュアンは言わずもがな、右シェークで安定した両ハンドドライブを武器とする楊揚は平野早矢香選手、サウスポーから威力ある強打を繰り出す顧玉ティンは石川佳純選手を想定。楊揚の替わりに李暁丹を入れても良い気がするが、プレースタイルは確かに良く似ている。仮想・シンガポール女子チームも、馮亜蘭は同じ馮さんの馮天薇、フォア表ソフトの曹麗思はリ・ジャウェイ、パンチのある両ハンド異質速攻の饒静文は王越古。…いちいち解説するまでもないかもしれないが、これだけのレベルの選手を揃えられる国家女子チームの層の厚さには改めて驚かされる。ちなみに、仮想チームの選手たちは、さすがに各国の代表ウェアではなく、中国代表のウェアを着用している。

 まだ試合の結果は詳しく分かっていないが、中国(郭躍・郭炎・劉詩ウェン)と仮想・日本女子の対戦は、3-2で中国が辛勝。劉詩ウェンが楊揚にストレートで敗れ、タイムアウト時に思わず涙。郭躍が慰め、励ましたことが大きく報道されている。中国(李暁霞・丁寧・武楊)と仮想・シンガポール女子は2-2の引き分けとなったようだ。5月13日まで行われる国家女子チームの集合訓練では、計6回の部内対抗戦が行われる。

Photo上:4月13日の対抗戦で、郭炎にストレート勝ちした武楊(09世界ジュニアより)
Photo中:楊揚は4月20日の対抗戦で、劉詩ウェンを寄せつけず(09全中国運動会より)
Photo下:ルックスは似ていませんが…、仮想・石川佳純の顧玉ティン(09世界ジュニアより)